※学パロ


気にくわない奴だとは思っていた。
無口で、自分から多勢の中に入っていきたがらなくて、いつも1人。そんなとこが女子には人気らしい。まぁ顔が凄く整ってて綺麗だとはオレも思う。男だけど。

気にくわない、というか。
近寄り難くてすかしてる感じがあまり好きではない。とにかくオレは、隣の席の男、涼野風介が苦手だった。



「君はいつも私を見ているね」


そんな涼野が話しかけてきたのは、ある日の放課後の教室だった。
いつも一緒に帰る茂人が委員会でいないからそれを待っていたとき、もう皆帰ってしまった教室で気付けば2人になっていたらしい。つーか何でコイツ帰らないんだ。


「は、え、オレ?」

「君以外にいないだろう。君は理解力が乏しいようだな」

「はぁあ!?」


なんだなんだなんなんだ。
ろくに話したこともない相手に結構キツいな。もっと寡黙でクールな奴かと思ってた。


「テメ、いきなり何だよ!つかいつもお前のことなんて見てねーし!」

「見てるじゃないか。横目で」

「見てねー!」


ほら、やっぱりムカつく奴だった。
自信過剰、ナルシスト。ああ気にくわない。
その切れ長な深緑色の宝石みたいな瞳も青に近い銀色の髪の毛も名前の通り涼しげな奴の何もかも気にくわない。筈だ。


「私のこと、好きなのかい」


そんな筈ねーだろ、ザコが!






‡南雲は意地っ張りな子なんです


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