知ってる。
だって、君のことずっと見てたから。

「ごめん」

謝らないでよ。余計辛いんだから。
そういえばさ、覚えてる?オレたちが宇宙人のフリしてたとき。沖縄で晴矢がオレに何も言わないで勝手に円堂くんたちに接触してたの。あのときは焦ったよ。あはは、怒った怒った。だって本当、昔からだけど、晴矢はオレには何も言ってくれないじゃない。それ、すっごく寂しかったんだよね。君が好きなオレとしては。

…そんな顔しないでよ。随分昔の話を掘り起こしちゃったね、ごめん。

晴矢はさ、オレにしてみればそうだなあ、太陽みたいな存在なんだ。嘘じゃないよ?なあにその顔。柄にもないって?君にだけだよ、勿論ね。
いつもみんなの中心にいて、うん、ガキ大将?っていうのかな、ちょっと意地悪だったけど、弱い者苛めは大嫌いだったもんね。…今も昔も。

過大評価しすぎだなんて、そんなことないよ。君がバーンだったとき…そうだね、弱い者は強い者に蹴落とされる、それは当たり前だった。でも君は何よりもチームのことを考えていたよ。だから彼らは君に付いていけたんだ。…ガゼルもさ。

そうそう、風介…実はガゼルになる前から君のことが好きだったんだよ。気付いてなかったでしょ?…やっぱりね。風介可哀想。でも、君も同じくらい、風介のことが好きだった。そうだろ?ふふ、見てれば分かるよ、君たち2人とも不器用なんだから。じゃあなんで晴矢にこんなこと言っちゃったかって、後悔したくなかったんだ。
あの頃から後悔、ばっかりなんだ。
自分に嘘をつき続けた、すごく苦しかった。こんなオレでも変われるかな。だから、さ。ずっとずっと、伝えたかったことだった。ごめんね、困らせちゃったね。でも、これからも、ずっと友達でいてね。

「ありがとう」

うん、オレも、ありがとう。
大好きだよ。






お題 嬌児


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