ワイヤレスラブコールの続き



…もしもし。今何時だと思ってんだよ。あ?ばっか2時だよ、夜中の。…いや、寝てない。大丈夫。
最近どう?ちゃんと飯食ってる?お前また外食とかコンビニ弁当とかばっか食ってんだろ、少しくらい料理覚えろよな……はっ!?ば、馬鹿じゃねーのんな恥ずかしいこと言うんじゃねえよ!オレが料理出来ても普段は一緒にいるわけじゃないんだし…ったく………今度、さ。いつ帰ってくる?冬休み?…そっか。うん。や、お前が一番したいことが一番だから。楽しくてやってんだろ?何よりだよ。…そんなことねえよ。ほんと。オレだってちゃんとやれてっし。うん…浮気とかしてねえだろうな…ほら、あれだ、合コンとかしてたらぶっ殺すからな。ははっ…あ、そうだな。ああ…無理はすんなよ。おやすみ……風介、




26時のラブコール




地方に出て、ずっと学びたかった学業にも取り組めるし毎日が充実している。しかしやはり恋人である晴矢と会う機会がめっきり減ったのは辛かった。

晴矢とは昔馴染みで私はずっと晴矢が好きだった。だから、晴矢に私の想いを受け入れてもらえたときは夢かと思ったし晴矢も私が好きだったということにも驚いた。正直顔を合わせては憎まれ口ばかり叩いていた私よりずっと紳士的なヒロトを晴矢は好きなんじゃないかと思っていたから。
時間も空気も読めない奴だと晴矢にもよく言われるけれど、いつだって晴矢に側にいてほしくて、晴矢を側においておきたくて迷惑にも程があるだろうが私はいつも晴矢に電話もメールもする。
晴矢も口は乱暴だけど私と電話するときはどこか弾んだ声色で、電話の向こうではどんな顔をしているのだろうと私はいつも思うのだ。

側にいたい。
抱きしめたい。
強く強く。
深くキスをして、
愛してるとずっと伝えたい。

私がやりたいことがあると言えば晴矢は全力で応援して、見送ってくれた。だから私がこんな泣き言を言うわけにはいかないのに。


(…風介、大好き。)


私も晴矢が大好きだよ。
早く君の隣にいたい。
まずは君を思い切り抱きしめて、それから君の料理が食べたいと駄々をこねてみようかな。文句を言われるかもしれないけど晴矢は作ってくれるだろう。我が儘な恋人ですまないね、晴矢。

驚く晴矢の顔を思い浮かべながら、夜行バスに乗り込んだ。









続くかも

風介さんは実は帰省期間とかいうやつだったのです。


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