※ちょっと注意
やばい。これは、やばい。
何がやばいかというと、現在進行形でオレは今、最悪の事態を考えるとプロミネンスのキャプテンという肩書きを失ってしまいそうな危機的状況に陥っている。
「………」
さっきから何も言わないで、お前も何か考えろよ。ていうか狭いし、暑いし、近いし、ああもうこうなったのも全部お前のせいだからな、という想いを込めて睨み付けるもコイツはいつもの澄まし顔。何なの本当コイツ。
今の状況を説明すると。
ダイヤモンドダストとの練習試合が終わり他のメンバーがグラウンド整備やら罵り合いやらをしている中でオレは誰よりも早く更衣室に向かった。今日はキャプテン同士の対談の日だからだ。その前に早くシャワーを浴びて、報告書を上げたかったからさっさと着替えることにしたのだけど。
「あ、ガゼル」
ダイヤモンドダストのキャプテン、ガゼルもすぐ切り上げて来た。同じことを考えていたのか。
「早く着がえろよ」
「分かっている」
ガゼルは躊躇いも無くユニフォームを脱ぎ捨てる。その、細いけどしっかりついた腹筋だとか鎖骨だとかに自然と目がいってしまい、1人赤面。何見てんだオレ変態みたいじゃん。するとガゼルは気付いたようで、にやりと笑って言った。
「なんだ、欲情したか」
「ばっ…んなわけねーだろ!」
でももう手遅れで、ロッカーに押し付けられたかと思うとあっという間に両手首も縫い付けられた。コイツの馬鹿力には本当に驚く。必死で抵抗するも、なんとなく、オレもそういう雰囲気になっちゃってて、近付いてくるガゼルの顔を拒めなくて。一応ガゼルとは恋人という関係で、そういうこともしている。激しく絡まってくる熱い舌だとか、体温の低いガゼルの手が服の下に這ってくる感触だとか。
「んっ、ふ……ぅ」
びりびりと口から伝わってくる熱が、身体中を駆け巡ってきて、立っていられなくなる。ガゼルに体重を預けて、オレも舌を絡めて、夢中になっていたときだった。
「あー疲れたー」
「ふん、マスターランクだというのにその様か。やはりプロミネンスだな」
「んだとこら!」
ぴしり。一瞬で凍りついた。しかしその瞬間ナイスコンビネーションでオレとガゼルは咄嗟にロッカーの中に押し入る。狭いし暗いし、2人入るとぎゅうぎゅうで身動きがとれないが、プロミネンスとダイヤモンドダストのメンバーたちが更衣室に入ってくるのと僅差で間に合いバレなかった。オレは必死に息を殺してガゼルにしがみつく。いや、これは仕方無くて、ガゼルの手もオレの腰に回されたままで2人とも身動きがとれな、い、あれ?
「ちょっ…」
「静かに」
いや静かにじゃねーだろ何してんの!?ガゼルの手は腰から脇腹辺りをさわさわと動いている。こんなことしてる場合じゃねえだろ。狭いんだってば、メンバーいるんだってば!!
「我慢出来ない」
ふ ざ け ん な !!
こんなわけで今、オレはこの人でなしによってメンバーに醜態を晒す危険に陥っているのだ。
「やめろってば、おい!」
小声でガゼルの手から必死に身体を捩ろうとするが下手に動くと物音を立ててしまいバレてしまう。その間にもガゼルの手は胸まで上がってきた。
「…やっ…ん…」
ふにふにと乳首を触られて身体が勝手に揺れる。さっきまでの熱がまたすぐ戻ってきて変な気持ちになってしまう。オレが声を出すまいと唇を噛み締めて頑張っているのに、ガゼルはくすりと笑って、更に胸を攻めてきた。
「もっ、いい加減にぃ…んぅ…」
「気持ちいい癖に。堅いし」
「んあっ……ふぇ…」
ぐりぐりと乳首を摘まれて、いつの間にかズボンの中に手を突っ込まれていた。これは本当にやばい。
「ほんと、やばいから…っ」
「大丈夫」
何がだ!!そう言ってやりたいのは山々だがぎゅっと自身を掴まれて、そこからオレはただ泣きながら耐えるしかなかった。
「やっ…バレちゃう…っ」
「バレてもいいよ私は」
オレがよくない!!
ロッカーの外から聞こえる賑やかな声と、与えられる快感に我慢するオレは本当に苦労人だ。
お題 廃水
ぬるい
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