いつから?
そんなの、知るわけがない。
気付けばこうなってたんだから。
ぐるぐる、ぐるぐる、
色んなものがごちゃごちゃ
人も死体もぐちゃぐちゃ
ぐちゃぐちゃにしているのは
誰でもない、自分で、
いつからこうなった、とか
そんなのオレが知りたい
オレだって人生の最初の方は
平和主義な世間知らずの餓鬼だった
「なんだそりゃ」
オレの前にいる、生意気に笑みを浮かべる餓鬼が言った。あの頃のオレよりは何年か年上だが、コイツは本当に憎らしい餓鬼である。オレの人生半分くらいしか生きてないくせに割と壮絶に生きてやがるのだ。
「アンタが平和主義とか笑えるし、うん」
「生憎お前程ひねくれた餓鬼じゃなかったんでな」
「はいはい、可愛げなくて悪かったな」
自慢の掌の口を何やらくちゃくちゃ言わせながらまた、憎らしく生意気に笑う。コイツはオレに言わせれば餓鬼だ。まだまだ。深読み出来ねえし、口より手が出るし。あ、口より粘土、か。まぁどうでも良い。
「あー、旦那にもそんな可愛い時期があったんだなぁ。うん」
「ぶっ殺すぞ」
ぐるぐる、ぐるぐる、
血だとか肉だとか骨だとか
内臓だとか脳味噌だとか眼球だとか
そんなものがぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ
折り重なった世界に生きるオレは、
あの頃のオレが見たら気絶するかもしれないが少なくともこの日々に快感を覚えている。
「アンタ気色悪いな」
「フン、お前もな」
「まあな、うん」
ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ
ぐるぐるぐるぐる
血生臭い世界って、割と気分が良い
滑稽だと笑えだってオレ、はみ出しものだからさ
ちょっと普通の奴とは違うんだ
お題 だから僕は髪を切る。