手を繋いだりだとか。
キスをしたりだとか?
恋人たちがするようなことは、滅多にしない。男同士だし、頻繁にするのも普通じゃないのかもしれないんだけど。
まぁ大体、生身の人間ではないサソリの旦那と手を繋いだりキスをしたところでオイラも旦那もお互いの体温を感じることは出来ない。うん。虚しいもんだ。
「何だ、そんなことしたかったのか」
「別に。したいってほどでも」
「……」
「…嘘だよ、うん」
けっ、とそっぽを向いてしまったサソリの旦那に苦笑する。ほら拗ねた。でも本当だよ。オイラは別に、手を繋いだりキスがしたいってわけじゃない。そりゃ、全くしたくないってわけではないけど。出来るもんならしたいけど。
でもさ、こうやって。2人で並んで歩くことが出来ることって、とても素敵なことだと思わないかい?
(2人並んで歩く先が血にまみれた場所だとしても)
「早く歩けよ」
ちゃんと立ち止まって、オイラの歩くペースに合わせてくれるところも何もかも。大好き。
お題 カタリナグサ