「お前を捕まえてオレの中に閉じ込めておいていたい」
デイダラは思わず、は、と聞き返した。
いきなり監禁願望されたのだ。仕方が無い。はいどうぞと自ら監禁されたいわけもない。コイツはまた変なことを言い出すなと思った。
「それ、オイラに?」
「そう言ってるだろうが」
「そうだったらお断りだぜサソリの旦那。オイラが自由主義だってこと知っているだろう?うん」
「いいじゃねえか、永久に朽ちることのない体だ。飛段みたいになれるぜ」
「自由主義であって、刹那主義なんだ」
アンタみたいにそんな陰気臭い傀儡に一日中閉じこもっておくなんて耐えられないよ。そう口には出さないでおいた。言ったら軽く骨でも折られそうだったからだ。
サソリは口角を上げながらデイダラに近付いて、その長い金髪を掬う。
「この髪もお前の瞳も色褪せていく様を隣で見ていたくないだけだ。オレが」
この我が儘親父め。
デイダラはにやりと笑ってサソリの頬へ手を伸ばした。
「じゃあこうしよう」
不幸な約束事どうせアンタよりは長生き出来そうにはないから。オイラが死んだら傀儡にでも何にでもしてしまえばいい。まぁ死ぬときは派手に爆発してやる予定だけど。
言ったな、約束だぞ。
果たされることのないその約束は、
確かに2人の中にしっかりと刻まれていた。
title:空をとぶ5つの方法