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俺に見せてよ -2-

 YESだってわかってても、答えを大人しく待つっていうのはなかなかつらかった。だって、トキヤがうんって言ってくれればそれで先に勧めるんだよ。まるでごちそうを前におあずけくらわされてるみたいだ。結局、ぴくりとも動けずにいるトキヤに焦れた俺が、その白い手をとってお姫様にするようなに手の甲へのキスをして、それでようやくトキヤはちいさくちいさく頷いてくれたんだ。

 ありがとうの気持ちを込めて、熱をもった額にひとつキスをする。ひとつのソファに並んで座り向かい合ってた状態じゃ恥ずかしいだろうから、俺はソファに横向きに座って、脚の間にトキヤを後ろ向きに座らせた。こうしたら顔は見えないから、ちょっとはよくなったでしょ?それでも、包み込むようにトキヤの腹に手を回して抱きつくと、どきどきといういつもよりずっと早い鼓動が伝わってくる。

「じゃあ、コレ外すよ。後は自分でやってね」
「……はい…」

 放っておけば一時間でも二時間でもこのままな気がしたから、俺はトキヤの肩越しに覗き込むようにしながらベルトのバックルを外してほんのり半勃ちしてたちんこを取り出してあげた。そうして、さっきキスを落としたトキヤの右手でそれを握らせる。俺の手が触れた瞬間、びくんってなったその反応が可愛くて、つい自分の腰を押し付けてしまった。

「ひゃ! な、んであなたが勃ってるんですか」
「んー、なんでって…初めてお前のオナニーが見れるんだから当然だろ」
「開き直らないでください」
「ごめんって。ほら、もうあんまり焦らさないで」
「ぁ、ん……っ」

 はやくして、って言葉の代わりに、ちんこを掴んでるトキヤの手をゆっくり上下させてやる。そうしたらトキヤは声を抑えるように左手で口を覆ってしまった。えぇ、そんなのアリ?俺はトキヤの声大好きなのに、聴かせてくれないの残念だな。うん、でも大丈夫。俺はこんなときもどうすればトキヤの声が聴けるようになるかちゃーんと知ってるよ。

 覚悟を決めたのか、それとも少し擦られたときの快感が呼び水になったのか、トキヤはようやくそろそろと右手を動かしはじめてくれた。それを合図に、俺はトキヤのシャツの裾から左手を中に進入させる。挨拶程度におへそを擽って、ちっちゃな乳首に辿りついたら、そのままきゅっとつまんでみた。たったそれだけのことで、ほらね、トキヤはそれまで口を覆っていた左手で服越しに俺の手の動きを止めようとするんだ。

「――あぁっ! やだ、音也、だめです、乳首さわっちゃや…っ」
「だーめ。ほら、右手止まってるよ? ちゃんと動かして?」
「ひゃぁうっ! ひん、ぅ…っ」

 きゅううっ、って強めにつまんでみると、トキヤはまるでイく時みたいにびくびくとからだをはねさせた。さっきまではほんのり程度に赤くなっていた頬は今は真っ赤で、息だってはぁはぁと熱っぽい。目にはいつのまにか溜まってた涙が、今にも零れ落ちてしまいそう。

「トーキヤ。ちゃんとオナニー見せてくれたら、気持ちよくしてあげるから」
「はぁ、は、……っはぃ…」
「そう、いいこ。ゆっくりでいいからさ。ほら、カウパー出てきてるじゃん。それ掬って、ちゃんとちんこに塗って? くちくちエロい音、大好きなんだよね」
「ぁ、…っく、は、あっ」

 こうなったときのトキヤは、こどもに言うように一から説明しないとだめなんだよね。そんで、いつもよりちょっと低めの声にすれば完璧。いいこに俺の言うこと聞けたらご褒美代わりに頬にキスをして、恥ずかしいのか戸惑ったら乳首にすこしだけ爪を立てて。ご主人サマの調教は意外と簡単だ。さっきまで俺の左手を止めようとしてたのなんてすっかり忘れたかのように、トキヤは夢中になって手を動かしてた。腰だって無意識に前後してて、俺のちんこが擦れて、見てるだけっていうのも正直ちょっとつらい。あぁ、ほんとだったら俺が擦ってフェラしてヌいてあげるのにな。そうして、くたってなったトキヤの脚をひろげて――…

 そんな妄想をしながら手を動かしやすいようにいくつかボタンを外したシャツ一枚を身に着けただけのトキヤの姿は、肩越しじゃなく正面から見てたら妄想だけじゃなく実際に押し倒してつっこんじゃってただろうなってくらいに扇情的だ。思わずごくりと唾を飲み込んでしまったのと同じタイミングで、トキヤの口から降参の声が聞こえた。

「ぁん、あ…あっ! おとやぁ、…も、だめ、です、むりです、」
「ダメ? なんで? もうイっちゃいそうなの? イっていいよ?」
「んっあ、やぁ、はずかしい、です…」
「恥ずかしくないよ。ちゃんと最後まで見せて、俺、トキヤのちんこからびゅって精液出てくるの見たい」
「やだぁっ、無理、無理…っ」

 だだっこみたいにいやいやをするトキヤは、いつもの『一ノ瀬トキヤ』とちがってなんだかすごく子供っぽい。ほんと可愛いなぁ。こんな姿を独り占めできているだなんて、ほんといつか罰あたっちゃいそうだ。

「トキヤ、」

 でもね、可愛いけど、そのお願いは聞いてあげられないよ。トキヤだって無理って言いながらも手、止められてないでしょ?それとも俺に扱いてほしいって言ってるの?だめだよ、今日はオナニーの日なんだから。俺が手伝ってあげたら意味なくなっちゃう。

「ほら、はやくイかないと嶺ちゃん帰ってきちゃう。そしたらもう射精できなくなっちゃうよ? ココに溜まってる熱いの、だせなくなっても、いいの…?」
「や…っ、あぅっ、ひゃぁんっ」

 それまで乳首を弄ってた手を、片手だけトキヤの股間に移動させて、ぱんぱんに張り詰めた亀頭をなぞって、そのまま袋を包み込むようにふわふわと揉んでやる。どこもかしこも熱をもってて、すっごくやらしい。トキヤは思わず目を瞑っちゃったみたいで、その衝撃でぼろぼろと涙が零れ落ちた。

「トキヤ」
「ひ、ぅ、お とやぁ…っ」
「イって」
「〜〜っ!! あ、あぁぁっ」

 いつもは白くて、ひんやり冷たいトキヤの耳たぶ。今はすっかり赤くなり熱をもったソレをくちびるで食みながらそう促すと、トキヤは一際高い声を出してびゅくびゅくと精液を吐き出した。2週間ぶりの、どろどろの濃い精液だ。それが俺に背を預けていたトキヤの腹にあたって、腹筋を伝い、あの可愛らしいおへそに水溜りを作る。

「上手だったね、トキヤ。すっごく可愛くてエロかった。ありがと」
「はぁ、はう……」
「見て、たくさん出てたよ。ほら、俺の手までトキヤので汚れちゃった」
「あ……ごめん、なさい」
「いーよ、大丈夫」

 汚れた、なんてほんとは思ってないよ。トキヤのは精液だって汗だって、なんだってきれい。だから本当は俺が舐めてあげたいけど、舐められるのもたまにはいいかなって思ったんだ。予想通り、トキヤは目の前に差し出された自分の精液で濡れた俺の手を両手で支えて舐めてくれた。その間に空いている左手でおへその精液の水溜りを弄ると、ぷちゅぷちゅって音がする。
 でもほんとは、ほんとに可愛いのはこの後だ。淫乱に調教されたご主人サマはきっとこれだけじゃ足りない。ほら、俺の指舐めてるだけなのに、もうちんこがちょっと勃ってきたでしょ?擬似フェラで興奮しちゃってるんだよね?

「ありがと、もういいよ、トキヤ」
「――音也…」
「ん? なーに」
「あの……あなたは、その、射精しなくてへいきなのですか」
「うん、出したいけど…」
「じゃあ私が」
「トキヤにされたら俺セックスしたくなっちゃう。でも、嶺ちゃん帰ってくる日はしないって約束でしょ? だから俺我慢するよ、後で風呂場でヌくから大丈夫」
「〜〜っ、でも」

 射精したてで体はだるいはずなのに、トキヤはころんと寝返りを打ってうつぶせになった。肘をついて、その手は俺の股間にのせられてる。ねぇその体勢ってわざとなの、それとも無意識?それだけじゃない、とろんとした瞳や腰は俺を誘うように揺れてて、もうなんか俺の理性がやばい。

「約束、は、その……」
「……うん、何?」

 トキヤの言いたいこと、わかってるよ。オナニーなんてしたことありません、性欲なんてありませんって顔してたって、トキヤだって中身は俺と同じただの男だ。中途半端に気持ちよくさせられたんじゃ足りなくて、セックスしたくて仕方ないんだよね。それを口に出せなくて恥らうお前も可愛いけど、そろそろ俺の我慢も限界だ。
 ねぇ、ちゃんと言えたらご褒美に、俺のでもう何にも考えられないくらい気持ちよくしてあげるから――ほら早くおねだりしてみて?他の誰も知らない一ノ瀬トキヤの可愛い姿、俺に見せてよ。





end

改定履歴*
20120722 新規作成
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