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トップアイドルのひみつ -4-

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「トキヤに怒られちゃったにゃあ」
「おこられちゃったね、よしよし」
「音也くーん」

 ようやく嵐が去った途端に泣きついてくる可愛い恋人を抱き止めて、ぽんぽんって背中を撫でてやる。HAYATOは、こうやって撫でられるのがすきなんだ。前からそうだったけど、猫耳が生えるようになってからは余計その傾向が強くなったように思える。
 今だって、そうしてあげてからいくらもしないうちにHAYATOはご機嫌が治ったみたいで、俺の首筋にちゅっ、ちゅ、とキスを落とし始めた。

「こら、くすぐったいよHAYATOー」
「だって、音也くんいいにおいするにゃ。ずーっと、くっついてたい」
「もう……俺だって、くっつきたくなっちゃうよ」
「じゃあおんなじ気持ちだから問題ないにゃ! ね?」

 HAYATOは俺の返事が嬉しかったみたいで、キスを落とす位置をさっきまでの首筋から俺の頬に変えた。すぐさま、今度はくちびるに。誘うようにぺろりと下唇を舐められると、さっきトキヤに怒られる直前までしてたえろいちゅーが思い出されて下半身に熱が集まるのがわかる。ソファに押し倒した俺に覆いかぶさって、耳としっぽを嬉しそうに動かしながら。こんな時のHAYATOは、本当に発情期の猫そのものだ。
 俺は経験から、HAYATOが何をするつもりなのか解ってしまった。

「ねぇHAYATO、ここでシたら、トキヤに怒られちゃわないかな?」
「んー…多分戻ってこないから、大丈夫だにゃ!」
「でも、鍵掛かってないし、衣装だってそのままだよ?」
「大丈夫大丈夫、誰もこないよ。衣装は、気になるならゴムつけてしよっか?」

 いつのまにか捲られていた服の裾から、HAYATOの手が滑り込んでくる。楽屋のドアに鍵は掛かっていないし、俺が今着ているのはST☆RISHのステージ衣装で、HAYATOだっていつもの王子様のキラキラ衣装だから、このままセックスして汚しちゃまずいってわかってるのに。
 なんの根拠もない彼の『大丈夫』の言葉を都合よく受け入れてしまうくらいには、俺も発情しちゃってた。

「……ううん。HAYATOのそのままがいい」

 ばかなこと言ってるって頭の片隅ではわかってるんだ。生でヤったら絶対衣装汚れちゃうし、さっき場所をわきまえなさいって怒られたばかりなのにって。楽屋でセックスなんかして、これがトキヤにばれたらまたすっげぇ怒られるんだろうな。
 わかってるけど、でもHAYATOを今ここで全部受け入れたいって気持ちが止まらない。

「ん、わかった! 音也くんかわいいにゃあ」

 HAYATOは嬉しそうに俺の頬にひとつキスを落とすと、ソファの端っこに置いてあったかばんをごそごそと漁って、いつも使ってるローションを取り出した。発情しきってるクセにどこか冷静なHAYATOの横顔から目を離せずにいると、ばちんと視線がぶつかる。急にかぁって顔が熱くなるのがわかって逃げ出したくなったけど、間を置かずにににこって笑いかけられるとそれもできない。
 それからのHAYATOの手つきは、慣れたものだった。手早く俺の下半身を脱がせると、向かい合わせに膝立ちにさせて、そのまま手に取り出してあたためたローションで入り口をほぐしてく。初めに感じていた羞恥心なんてすぐどこかいって、俺はあっというまに、はやくひとつになりたいってそれだけを思うようになっていた。






改定履歴*
20120512 新規作成
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