top * 1st * karneval * 刀剣 * utapri * BlackButler * OP * memo * Records

個人授業 -8-

「首筋か、鎖骨のところあたり。皮膚のうすいところならどこでもいいですよ」
「首筋は…でも、目立つだろう?」
「坊ちゃんにつけていただいた跡ならば、私は誰にだって見せ付けて自慢したいくらいです」
「ばか…」

心なしか先程よりも頬を赤く染めたシエルが、思い切ったように目を瞑って
セバスチャンの男らしく筋張った首筋に唇を押し当てる。
これでは付かないと気付いたのか、もう一度、こんどは緩く唇を開いて、噛み付くように。

あまりに手探りで幼い手法に、それでどうやってキスマークをつけるつもりなのかと
そのまま様子を見てみることにすると、シエルは何度かかぷかぷと首筋に噛み付き、
ゆるく吸いついてみてはじっと見て、一向に跡がつかない様子に不思議そうに首を傾げる。
その仕草がどうにも可愛らしくて、セバスチャンはとうとう笑い声を我慢することができなかった。

「わ、わらうなセバスチャン!」
「申し訳ありません坊ちゃん。あまりにも、その、可愛らしくて」
「僕は真剣なんだぞ。…どうやるんだ?」
「はい…、噛み付くのではなく、一点に吸い付くのですよ」
「わかりにくい」
「お手本を見せてあげますからじっとして」

セバスチャンはそう言っておもむろにシエルの手首をとると、見せ付けるように唇を寄せる。
たっぷり10秒ほどかけて跡をつけ、その赤い跡を満足そうにぺろりと舐め上げる様子は
シエルの情欲を掻き立てるには十分だったようで――
そこから目を離せずにいる恋人の純粋さにくすくす笑いながら、まるい後頭部を引き寄せてキスをした。

「んっ、ん…ふぁ」
「嗚呼もう貴方は…そんなに蕩けた瞳で見られては、早く次の授業に移りたくなってしまいますよ」
「だめ、僕が、ちゃんとつけてからだ!」

乱された息を整えて、シエルは今度こそ成功させようと今度は鎖骨の少し下あたりにキスをする。
先程見せてもらったお手本を必死に思い出して、ちゅうっと吸い付いて。
たっぷりの間の後そっと唇を離してみれば、そこには、ちいさなちいさな紅い花が咲いていた。

「できた…」
「ええ、坊ちゃん、よくできました」

嬉しそうな笑顔でその花弁を指でそっとなぞるかわいらしい恋人。
セバスチャンは、自分のからだの上に寝そべったまま全体重を預ける
仔猫のようにあたたかな体温をぎゅうと抱きしめるのだった。






改定履歴*
20110219 新規作成
- 8/12 -
[] | []



←main
←INDEX

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -