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個人授業 -6-

「坊ちゃん、そう拗ねないで。可愛らしかったですよ」

一体何度、このセリフを口にしただろうか。
半ば無理やり自慰をさせられたシエルはすっかり臍を曲げてしまい、
セバスチャンの胸に顔を埋めたままかれこれ10分が経過していた。
その短いようで長いような間、セバスチャンがあの手この手で宥め賺そうと試みても
シエルは頑として顔を上げようとはしない。初めての自慰が恋人とは言え人前で、
しかも文字通り手取り足取り教えられたのがよっぽど恥ずかしかったのだろう。

「………い」
「え?」
「…むい、寒い。」
「え、あ、はい。申し訳ありません、マイロード」

さすがにどうしていいものか分からず困り果てたセバスチャンの耳に届いた、
ようやく聞こえるくらいのちいさな声。
うすい夜着だけを纏ったからだが心なしか冷えてきていることに気付き、慌ててベッドに寝かせる。

タオルで清めた幼いからだに新しい夜着を着せようと
着替えを取りにベッドから降りようとしたところで、
くん、と自分の服が引かれるのがわかった。
見れば、主人が自分の服の裾を掴んでじっと見上げている。

「坊ちゃん?」
「いくな」
「ですが、お着替えしませんと…汗で濡れたままでは、風邪を召されますよ」
「後でいい」
「坊ちゃん、別の我侭なら何でも聞きますから…」
「ちがう、…まだ、終わったらイヤだ、と言ってる」

思いがけない返答に一瞬思考が止まる。
そうすれば、甘えるようにシエルは細い両手をゆっくりと伸ばしてきた。

「明日は早起きですよ」
「分かってる」
「がんばって起きましょうね」
「お前が起こせ。僕は馬車で寝るから、膝枕しろ」
「はい」

くすくす笑いながらその細いからだを腕の中に閉じ込めて、
心地よい我侭を受け入れながら、やわらかい頬へとキスを落とす。
シエルが擽ったそうに首を竦めれば、次は唇へ。
大きな手で小さな手を捕まえて指を絡めれば、それはセックスの合図だった。

「では坊ちゃん、家庭教師の授業の続きですね」
「…あまり厳しいのは嫌だぞ」
「可愛いシエルに楽しんで学んでもらえるよう、努力いたしましょう」






改定履歴*
20110215 新規作成
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