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個人授業 -4-

セバスチャンはヘッドボードに凭れかかるように座ると、
ぐすぐすと泣きじゃくるシエルのからだをひょいと抱えて自分の脚の上に横向きに座らせた。
細い顎に手を添えてななめ上を向かせ、ほんのりと赤くそまった頬を撫でて
そのままきれいな瞳を潤ませている涙を拭うと、やわらかく笑ってみせる。

「さぁ、もう泣かないで。綺麗な目元が腫れてしまいますよ」
「…セバスチャン」
「私はここに居ます。貴方が落ち着いて眠るまで、ずっと一緒に居ますから」

その優しい声と伝わる体温に少しは落ち着きを取り戻したのだろうか、
数分後にはシエルの目から涙は姿を消し、自分を抱きしめる男の胸に頬を摺り寄せた。
いつもと同じ気まぐれな猫のようなその姿に、セバスチャンも少し安心する。
こみ上げる愛しさを隠そうともせず額や夜色の髪にキスを落としながら撫でていると、
シエルはキスをねだるように自分を見上げたのでその唇へも口付けた。

「ん…ん、っぁ、ン」

慰めて寝かしつけるためのキスのはずだったのに、
自分のシャツをぎゅうっと掴み縋りついてくる恋人の姿と
口の中で上がる甘い声に、隠し切れない性欲が首を擡げる。

腕の中の細いからだをゆっくり撫でて、
下腹部でほんのり勃ってしているものを片手でふわりと覆ってみれば、
途端にシエルのからだはびくりと跳ねた。その様子に思い出されるのは、
先程自分が駆けつけたときに自慰をしようとしていた主人の姿。

「随分敏感ですね。…お一人でなさっていた名残でしょうか?」
「…え?」

ベッドの中でひとり自分を慰めていた主人に対するほんの意地悪のつもりだった。
なのに、その問いかけに対する主人の反応はあまりにも予想と違っていて…
まるで何を言っているのかわからない、というような反応を返すシエルに、
セバスチャンは、あるひとつの可能性を見逃していたことに気がついた。

「…坊ちゃん、失礼ですが、お一人でされた経験はおありですか?」
「ひとりで…って?」
「いつも私が坊ちゃんのコレを擦ってさしあげるように、ご自分で処理されたことは?」
「!!!そ、そんなことするわけないだろう!」
「――では、先日私が抱いた時にイったのが、…初めて…とか」
「………初めてで悪かったな」

そう言ってぷいと横を向いてしまった主人に、セバスチャンは顔が赤くなるのを抑えることができなかった。
腕の中にすっぽりおさまって拗ねたように甘える恋人が愛しくて仕方ない。
まさかはじめて恋をした相手が、精通もまだの真っ白な子供だったなど。

「…これは申し訳ありません、では私が坊ちゃんのいろんな初めてを頂いたのですね」
「は、はずかしいこというな…ばか」
「嬉しいのですよ。私が責任持って色々教えてさしあげますからね」
「色々って?」
「そうですね…まずは、ひとりで処理をする方法を」
「!!なっ、何言ってる!さっきからおまえおかしいぞ!!」
「坊ちゃん、これは重要なんですよ。
これから一緒に生きていく間、私がお傍に居られない日がないとも限りません。
そのときに欲求不満な坊ちゃんを他人に盗られてはたまりませんから。
ひとりで解消できるようになっていただかないと」
「欲きゅ…って」

動揺を隠し切れない表情で何か言いたげにぱくぱくと口を動かすシエルを
ぎゅっと一度抱きしめて、にっこり笑ってみせる。
そして再度自分の膝の上に抱えているシエルの中心にそっと手を添えると、
形を確かめるようにやわやわと揉みしだいた。

「っあ、や、セバスチャン…っ」
「先程、ご自分で慰めようとしていらっしゃったのでしょう?
やり方を知っていれば、もっと気持ちよくなれますよ」

きもちいいところを撫でられながら耳元で紡がれる言葉はとてもやわらかくあまい響きをしていて、
シエルの正常な思考をゆっくりと解かしてゆく。


「坊ちゃん、大丈夫ですよ。私がひとつずつ丁寧に、全部教えてさしあげますから」






改定履歴*
20110207 新規作成
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