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個人授業 -10-

「――坊ちゃん、もう、いい…大丈夫、です、」
「ん…っく、ぷは、はぁ…っ」
「さぁ、おくちと手を離して…ありがとうございました」

しばらくシエルの好きにさせていたセバスチャンだったが、たどたどしい動きと時折見える赤い舌、
それから性器にかかる暖かい吐息が思っていたよりもずっと気持ちよくて、
いくらもしないうちに我慢も限界になってしまった。これ以上されては本当に、口の中に射精してしまう。
初めての口淫を頑張ってくれている恋人にそこまでさせるのはさすがに忍びなく、
名残惜しさを振り切ってやわらかい頬に手を添えて、顔を上げさせた。
そうすればシエルは、宝石のように綺麗な大きな瞳に涙をいっぱいに溜めてセバスチャンを仰ぎ見た。

シエルの目に映ったのは、いつも余裕たっぷりで隙の無い執事とは違う、
幾分つらそうな、熱のこもった視線で自分を見つめる恋人の姿。
声にだっていつもよりすこし上ずっているような、そんな変化が見てとれる。
セバスチャンにそんな表情をさせているのが自分だということが、たまらなく嬉しかった。

「気持ちよかった、か…?」
「ええ、とても」
「僕、最後までしたい」
「いけません坊ちゃん」
「でも、」
「お願いします。早く貴方を抱きたいのです」

まっすぐ瞳を見てそんなことを言われては、シエルはもうただ頷くことしかできなかった。
ゆっくりと押し倒され、後頭部を抑えられて噛み付くようなキスをされる。
口淫で飲み込みきれなかった唾液で濡れているあかく色づいた唇をぺろりと舐められる感覚に、
シエルの背筋をぞくりと快感が駆け上った。呼吸をしようと唇を開ければ舌をねじ込まれて、
粘膜同士が絡み合うくちゅくちゅという水音と、時折聞こえる呼吸音がシエルの耳に響く。

「んっ、ん、…んぅ、苦し、セバスチャ…」
「ちからを抜いていてくださいね、坊ちゃん」
「!っぁ、ひゃあ…っ」

気が遠くなるくらい長い口付けの後、ようやく肺に空気を吸い込めたかと思えば、
呼吸を整える間もなく今度は長い指がシエルの下肢へと伸びてくる。
恋人への口淫で溢れていた先走りを掬って、いやらしい手つきで後孔へ塗りこまれて。
与えられる刺激にひくつくソコを丁寧に、でもいつもよりは焦ったような動きで解されていく感覚に焦った
シエルが身を捩ろうとしても、腰にまわされた手できつく抱きしめられて、思うような抵抗もできない。

「あっ、ぁ…、やぁ」
「…ほんとうは、もうひとつお教えしたいことがあったのですよ」
「もう、ひとつ?」
「はい。可愛い坊ちゃんには、おねだりの仕方を覚えていただきたいと思っていました」
「おねだり…?」
「そう。…折角だからやはり教えましょうね」






改定履歴*
20110225 新規作成
- 10/12 -
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