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個人授業 -9-

しばらくそのまま、甘えたようにじっとしていたシエルだったが、先程から思いついたように
セバスチャンのからだ中にキスを落としながらそのからだを下へ下へと辿っていった。
ぺろりと腹筋あたりを舐められる感覚は擽ったくて、まるで本当に仔猫のようだと思う。
ふさふさの耳はないから、代わりにピアスのついた耳たぶをゆっくりと撫でてやれば、
シエルは擽ったそうに身を捩ってお返しとばかりに緩く脇腹に舌を這わせる。

「坊ちゃん、今日はいつもと反対ですね」
「うん。いつもおまえがするのを、僕がするんだ」
「こうやって舐めてみたり?」
「…ん。ココ、も。僕がする」

ちいさな手が示したのは、先程からの緩やかな愛撫で既に勃ちあがりかけたものだった。
臍の辺りまでボタンの開けられたうすい夜着を身に纏った幼い少年が
まだ服に収められたままのそれをなんとか取り出そうと四苦八苦している姿に、
どくんと熱が集まってくるのがわかる。

「坊ちゃん、コレは」
「やるといったら、やる。だから、教えろ」
「ですが、坊ちゃんにそんなことさせるわけには」
「…さっき、おまえが来てくれたの、うれしかった…から。……どうしても、だめか?」

主人にこんなことをさせるわけにはいかないという理性と、
恋人が頑張ってくれている姿に欲情してしまう本能。
均衡していたふたつの感情の微妙なバランスは、シエルの上目遣いであっという間に崩れてしまった。

「無理は、しないでくださいね?」

シエルがこくんと頷くのを確認すると、セバスチャンは再びからだを起こして
ヘッドボードに凭れかかるように座り前を寛げて自分のものを取り出した。
その間もやはり、シエルの目線はそれに釘付けのまま。
顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしているのに、それでもけして逸らそうとはしなかった。
そのことがはじめてのこの行為に対する彼なりの覚悟のようで、初々しさがひどく愛しい。

「ゆっくりでいいですよ」
「…わかった」

猫のようにからだを丸めたシエルの震える手が自分のものに添えられて、
ちいさな口が近づいてきて。あたたかい吐息がかかる擽ったさにぞくりと快感が走る。
差し出された赤い舌で先端をぺろりと遠慮がちに舐められただけで、
先端からはこぷりと先走りが滲んでしまった。
これではまるで、自分までセックスに不慣れのようではないかと自嘲してみても、
あのシエルが自分のものに奉仕しているという事実だけでどうしようもなく昂ぶってしまう。

「私がいつもして差し上げているように、ゆっくり裏側全体を舐めてください」
「…ん、ん」
「そう、先端を咥えて、手で全体を擦って…お上手ですよ」

セバスチャンは悟られないようにそっとため息をついて心を落ち着け、
精一杯のいつもどおりの声でシエルへと声を掛ける。
そうすればシエルは従順に指示を聞いて、それをひとつひとつ実行していった。
覚束ない手つきながら一生懸命に太い幹を擦り上げ、咥えた先端を吸い上げるように。
不意に先端の輪郭を確かめるようくるりと舌で辿られて、こんな愛撫を何時の間に覚えたのかと
驚きながらもそれが確かにいつも自分がシエルに奉仕している動きだと理解して嬉しくなる。
だってきっと、シエルは自分がされて気持ちいいことをしてくれているに違いないのだから。






改定履歴*
20110220 新規作成
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