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音也くんの湯たんぽになりにきたにゃっ!

『トキヤ、音也くん、今日は寒いから、ボクの家でいっしょにゴハン食べない?一人鍋するのはさみしいにゃあ。おねがいっ!』

俺の真面目でお堅い恋人の双子の兄だとは到底信じられないような可愛らしいHAYATOの言葉に誘われるまま、俺とトキヤは仕事終わりに彼の家に赴いた。3人仲良く酒を飲んで、程よく酔っぱらった俺はHAYATOに促されるままに気分よくベッドに転がったのが、たしか午後10時を過ぎた頃。

ほんの少しだけ仮眠をとったらシャワーを借りよう、そしていつもHAYATOの家に泊まる時そうするように、トキヤとこのベッドで一緒に寝よう…そう思って目を瞑ったんだ。けれど次に目を覚ました時このベッドの上に居たのは、俺と、トキヤではなくHAYATOだった。


初めは、トキヤだと思ったんだ。きっといつまでも起きない俺に焦れて、自分からベッドに入りにきたんだろうって。けれど仰向けに寝転がった俺に四つん這いになって覆いかぶさるなんてことをあいつがするだろうか。トキヤならば、せいぜい空いているスペースにそっと入りこむことくらいしかしないだろう。

光量を絞った間接照明の頼りない灯りを頼りによくよく顔を見てみれば、そこにあったのは潤んだ瞳とほんのりと上気した頬をした、色っぽい『トキヤ』の顔だった。でも、トキヤじゃない。あいつは、俺に触れられる前からこんな誘うような表情は絶対にしてくれない。俺の恋人は真面目でお堅い上にひどい照れ屋なのだ。そんな俺達のセックスはトキヤの色気や可愛さに我慢できなくなった俺が盛って始まるのに、これではまるで、いつもと逆ではないか。え、あ、…セックス?俺が?HAYATOと…?

「――HAYATO?」
「音也くん……」

俺の名を呼ぶ甘ったるい声に確信する。彼――HAYATOは、完全に、発情していた。



「〜〜っ、HAYATO、ちょっと待って、な?」
「ぁんっ、ちゅーしよーとおもったのに」
「変な声ださない!…えっと、どうしたの急に」
「しーっ。騒ぐとトキヤに見つかっちゃうにゃ」

そのままぐっと前傾してキスをしようとするHAYATOを制して、とりあえず俺の腹の上に座らせる。形のいいくちびるに人差し指をあて、残念そうに小首を傾げてみせるHAYATOの仕草に眩暈がした。姿形はトキヤだけど、絶対にトキヤじゃない。こんな、あざとい仕草をするトキヤは見たことない。見慣れた『トキヤ』の見慣れない仕草にうまく反応できずにいると、HAYATOは嬉しそうにふふっと笑いながら上体をぺたんと倒して俺に抱きついてきた。

「あっ、こら」
「あのね音也くん、ボクは音也くんの湯たんぽになりにきましたっ」

完全に隙を突かれた俺の胸元にすりすりと頬を寄せる姿は、まるで猫のよう。それも、とびきり甘えん坊の。初めて感じるHAYATOの体温は、トキヤと同じですこしだけ低めだった。それでも、こんな風に俺に迫って興奮しているのか、頬がほわんと暖かい。

「ゆ…湯たんぽ?」
「そうだよ〜。さっきごはん食べてたとき、音也くん、クシュンてくしゃみしてたでしょ?風邪ひいちゃったらたいへん」
「だからって」
「しーっ!もうっ、トキヤが起きちゃうでしょ?はい、おはなし終了ー。ボクをぎゅーってして眠ってねっ」

やばい。やられた。湯たんぽって。HAYATOかわいすぎ…。まるで俺の萌えツボを知ってるんじゃってくらいにぐいぐい攻めてくるHAYATOに、かぁっと顔が赤くなるのがわかった。俺の首筋に顔を寄せるHAYATOのことを、押し退けられずにいると、まるで味見をするようにそこをぺろりと舐めあげられてぞくんと背筋が震えた。くすくす笑うHAYATOの吐息が肌にあたって擽ったい。

「ちょ…ちょっと!?HAYATO、湯たんぽなんだよね!?」
「はいにゃ!あくまで湯たんぽですにゃ」

俺は何を言っているんだろう、湯たんぽだったらHAYATOを抱きしめて寝るのか?恋人の双子の兄なのに?そうこう考えているうちに、HAYATOのあたたかな舌が悪戯に俺の肌をつうっとなぞってゆく。鎖骨に沿って舌を這わせられ、首筋を辿って、そのまま耳たぶへ。はむ、と柔らかく食まれたかと思うと、耳の中に舌を突っ込まれた。

「だから、ボクのことは気にせずゆっくり眠ってくださいにゃ…?」

HAYATOのとびきり甘い囁くような声と、くちゅん、くちゅっ、というやらしい舌の音が直接頭に響いて、どうにかなってしまいそうだ。いや、っていうかもう、俺のものはさっきから半勃ち状態。そしてそれがわかるのか、HAYATOはおれのちんこにさりげなく自分のをすりすりとあててきていて――…その熱と気持ちよさに、思わず腰が引けてしまう。

いやいやいや。これはやばい。まずい。だって俺には、トキヤっていう可愛い恋人がいるんだから。拒否。拒否しなきゃ。そうだ何をぼんやりしてるんだ俺は。



「お前のどこが湯たんぽなの」
「え?」
「からだ、俺のがあったかいんだけど」

できるだけ冷たい声で、突き放すように言ってみる。HAYATOを傷つけてしまうのは覚悟の上だ。ずきずきと心が痛むけど、だって仕方ない。このままじゃ俺、お前を押し倒してしまいそうだよ。



「…それなら、音也くんがあっためてくれたらいいよ」

けれど、どうやらそれは効果がなかったみたいだ。HAYATOはすこしだけ驚いた顔をしていたけれど、すぐにまたにっこりとHAYATOらしいアイドルスマイルを浮かべて、がばっとからだを起こした。そうして、手早く俺のハーフパンツの前を寛げてぐいっと下ろしてしまう。急に冷たい外気に触れたちんこが、きゅっと縮まってしまった気がした。けれどそれも一瞬。すぐに俺のものはHAYATOのあたたかな口内に納められる。迷いのないその姿に、猫科の猛獣が獲物を獲るときにはまずひといきに息の根を止めるという話を思い出した。ぱくん、と咥えられてしまったらもう身動きできない。HAYATOはそんな男の習性を知り尽くしているかのように、暫く口内で弄んだ後、幹にそって舌を這わせた。

「は、」
「じっとしててくださいにゃ〜」
「っちょ、ダメ、だめだって」
「ね、…音也くんの熱々のせーえき、HAYATOのおくちにちょーだい?全部ごくんってのんだら、ボクあったまる気がするにゃあ」



唾液まみれの赤い舌でおれのものをべろりと舐めあげて、愛しそうに頬擦りされる姿を見た瞬間、俺のものにどくんと血液が集まって一回り膨張してしまうのがわかった。

あー…可愛いな。うん、可愛い。こんな色気たっぷりに迫られて断れる男なんていんの?据え膳食わぬは男の恥って言うし。もうなんか、男のサガっていうか、とりあえずイきたくて仕方ないし。

――ってな訳で、トキヤほんっとごめん!!!代わりに今度たっぷり可愛がるからね!






改定履歴*
20120129 新規作成

To L●VEる的なビッチHAYATO様もいいなっていう気持ち×ラブレ行きたくて行けない気持ち×安定の3時間クオリティ=超絶頭悪いタイトルの完成 でも案外気に入ってます。
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