top * 1st * karneval * 刀剣 * utapri * BlackButler * OP * memo * Records

おやつの時間です

『ちっちゃいHAYATOのおはやっほーが見たい!』というたっての願いが叶った七海君は、今までに見たことがないくらいにしあわせそうな顔で帰っていきました。……色々思うところはありますが、満足して下さったのならなによりです…。

「トキヤ、すっごく可愛かったよ!もうほんっと、HAYATOそのものだった!」
「当たり前です。やると決めたら完璧にやりぬくのが、プロというものです。」

興奮冷めやらぬという様子で話しかけてくる音也の笑顔にドキドキしてしまうのを悟られないように視線を逸らすと、ご機嫌斜めになったのかと勘違いした音也は、「ちょっとまっててね」とキッチンに向かいました。

しばらくの後に戻ってきた彼が手にした揃いのマグカップの片割れと、私のための小さなちいさなコップからは、私の大好きなコーヒーの香りがしました。

「こんな小さなコップ、一体どこから」
「ん?七海が服と一緒に、人形用のものだけどよかったら使ってくださいって貸してくれたんだよ」
「まるで本物ですね」
「それから、これも。さっき七海が差し入れにってくれたんだ、ドーナツ。」
「…甘いものは遠慮します」
「えー…あっダイエット?大丈夫だよ、今トキヤはすっごくちっちゃいから、今おなかいっぱい食べても元にもどったらほんのひとかけらだよ」
「でも…」
「おいしいよ?だから、ねっ」

そういいながら満面の笑みで差し出されるチョコレートのかかったドーナツに、私は思わず揺らいでしまいました。この一連の騒動で忘れていましたが、そういえば今日は昼食も摂っていません。それに、コーヒーとドーナツの組み合わせというのはなんというか、……とてもおいしそう、です。

「はいトキヤ、あーん」

小さくちぎったドーナツを差し出して、まるで猫か赤ん坊かを相手にしているかのように口を開けることを求めてくる音也のあまい声に、私は逆らう事なんてできないのでした。







改定履歴*
20120111 新規作成
- 4/6 -
[] | []



←main
←INDEX

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -