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HAYATOごっこ -2-

「おはやっほ〜!音也くん、はじめましてっ。いつもボクの番組を見てくれてありがとう」

そう、トキヤがひとつ深呼吸をして顔を上げた瞬間から、もう彼はトキヤでなくHAYATOだった。顔はもちろん、声も、彼を包み込むオーラそのものもすべて。まるでテレビから抜け出してきたかのような完璧な変身ぶりに、音也はただ驚いて目を丸くすることしかできない。

「音也くーん?緊張してる?」
「えっ、あっ」

トキヤ――いや、HAYATOは左手で音也の右手をつかまえて指を絡ませ、空いた右手で寝癖のついた赤い髪を撫で、そのまま頬へとキスを落とした。ちゅっと音を立て、音也が反応できずにいるのをいいことに、次は唇へ。

「んっ!、っふ、――んんっ」

いつもならばこういう時、啄ばむようなキスから次第に深いものになっていくのがトキヤの癖だった。けれど今は、最初からぐっと進入してきた舌が口内をめちゃくちゃに犯してゆく。舌を絡めとられ、歯列をなぞられ、敏感な上顎の裏をつつかれて思わず腰が浮いた。くちゅくちゅという濡れた音がやけにいやらしく耳に届く。

「っは、はぁっ、んぅっ」
「音也くん、お顔がまっかでかわいいにゃ〜」
「…う、ト、キヤ…?」

いつもと違うHAYATOとしてのキスに感じてしまったのだろうか、ようやく解放された頃には音也の目は快感で潤んでおり、くちびるの端からは飲み込みきれなかった唾液がつうっと頬を伝っていた。対してトキヤは余裕の表情で、あかく上気した音也の頬に自身の頬をすり寄せる。ほんのり香るシャンプーのにおいが音也の鼻腔をくすぐり、その心地いいにおいに一瞬気が抜けた音也の隙をついて、トキヤは彼のシャツの裾から手を滑らせまだ固くもなっていない乳首をちょん、とつついてきた。

「ひゃっ、な、何なにっ……あぅっ」

その微かな刺激にも丁寧に反応してびくんと体を跳ねさせる音也の反応に口角を上げたトキヤは、目の前にある真っ赤な耳たぶをはむはむと甘噛みする。まだ寝起きでぼーっとしているのだろう、音也は抵抗という抵抗もできずにただあまい声をあげて自分に覆いかぶさっているトキヤに縋りつくことしかできない。

そのうちにトキヤは舐める対象を耳から乳首に変えたらしく、パジャマ代わりのシャツの上からぱくんと咥えるようにして刺激してきた。数回それを繰り返されると唾液で濡れたシャツが肌にぴたりとはりついて、愛撫で形を変えた乳首の形が浮き出てしまう。

「音也くんの乳首、たってきたにゃあ!」
「っちょ、トキヤまって恥ずかしいよ!」

あまりの恥ずかしさに慌てて自身の胸元を覗き込んだ音也の目に映ったのは、シャツ越しにでもわかるちいさな突起と、それを舐めようと赤い舌を覗かせるトキヤの顔だった。視線が合うと余計に恥ずかしくなり、かぁっと顔が赤くなるのがわかる。トキヤはそんな恋人の様子に愛しそうに目を細めると、今度は下半身に手を伸ばしてきた。

「…っ待って、そこは、…っあ、離してっ!」
「だーめ。離してあげない」
「トキヤ!待ってまって、ちょ…まだ朝だよ!?」

ハーフパンツの上から性器を握られて柔らかく揉みしだかれると、音也は驚いたようにシーツを蹴ってトキヤの腕の中から逃げ出そうとする。けれどその抵抗は一瞬で、あっという間にトキヤの手で腰をつかまれて引き戻されてしまった。

「逃げないの。それにボクはトキヤじゃないよ、HAYATOだよ?もう、名前を間違えるなんていくら音也くんでもお仕置きだにゃ」

トキヤはすこしだけ頬を膨らませて拗ねたような顔をしたかと思うと、そのめずらしすぎる表情にあっけにとられている音也のハーフパンツを下着ごと取り去ってしまった。そうして、朝の生理現象と先程のキスで半勃ちになっているそれをきゅっと握り、自身が着ているパーカーのフードについている紐を引き抜いて、あろうことかそれでするすると音也の性器を縛ってしまったのだ。

「や、やだ!!何してるのトキヤ、あっ」
「音也くんが勝手にイけないように、縛ってるの」
「!!!」
「これでよしっと」

根元からカリ首の真下までの全体を包み込むように紐で編み上げ、最後にきゅっと縛ると先端からこぷりと先走りが零れる。トキヤは、リボン結びで飾られた音也の性器を満足そうに一撫ですると、先端の雫を啜るように舐め取った。眼下で繰り広げられる倒錯的な情景に、音也の目の前がくらりと歪む。

「音也くん、すっごーく似合ってるよっ!ちょっと時期は早いけど、クリスマスプレゼントみたいだにゃあ」
「ひぅ、や…だ、トキヤ、これ」
「ボクはHAYATOだっていってるでしょー?」
「!!!ああっ」
「それとも音也くん、お仕置きされたくてわざと間違えてる?」
「やっ、違…、あぁっやだぁ!」

HAYATOになりきっているトキヤは、何度もトキヤの名前を呼ぶ音也にご機嫌ななめになった様子で、手中で徐々に硬さを増してくる性器の鈴口にぐりっと爪を立てた。その痛いくらいの快感に音也の口からは悲鳴にも似た嬌声が上がり、目尻からは涙が零れる。トキヤはその涙をぺろりと舐めとって甘やかすように頬を撫でてやりながらも、一方では音也の性器を弄るのをやめなかった。

指一本で焦らすように裏筋をなぞったり、亀頭をてのひらでくるくると撫で回したかと思うと、自慰をするように陰茎全体を扱く。音也の両手は自由に動かせるというのに、彼は紐を自分で解こうとはせずにトキヤの首筋にしがみつくことしかできずにいた。

「やだやだって言うけど、ココこんなに涎たらしてるよ?ほんとに嫌?」
「や、だよ!朝なのにこんな…っ」
「じゃあやめちゃおっか」
「――あ…っ」

トキヤの大きな手が不意に離されて、音也の性器が冷たい空気に触れる。先程まで絶え間なく与えられていた快感が急にゼロになって、思わず零れた掠れた声を聞いたトキヤは、音也の目の前に彼の先走りでぐちゃぐちゃになったてのひらをかざして見せた。

「うーそ。ほら、音也くんのせいでボクの右手こんなに汚れちゃったにゃ。こんなに感じてるのに嫌なわけないもんね〜?」
「あ、ぅ…」
「音也くんは苛められて感じちゃう淫乱だにゃあ」
「〜〜っ」

自分の先走りを目の当たりにする羞恥に耐えられなくなったのか、音也はぎゅうっとトキヤに抱きついて顔を隠す。そうして、何か言いたげに幾度もHAYATOの名を呼んだ。掠れた声に見え隠れする情欲に、トキヤの我慢も限界に近くなる。彼が言いたい事は解りすぎるほどに解るけれど、それでもこれはお仕置きなのだからと自分に言い聞かせてすぐにでも突っ込んでしまいたいのをぐっと我慢した。

「名前呼んでくれるのは嬉しいけど、それじゃ何をしてほしいのかわからないよ?」
「HAYATOぉ…もう俺、がまんできないよぉ…も、いれてほしい、おねがい…」
「…さっきまでヤダヤダって言ってたのに、苛められてシたくなっちゃった?」
「う、ひっく、や、だ、も…ごめ、苛めないで」
「ごめんごめん。音也くんは素直でえっちないいこだにゃぁ」

掠れた声で紡がれる音也の言葉はほんとうにちいさなもので、最後はもうほぼ聴こえなかったが、それでもトキヤは十分だった。甘やかすようなキスをしながら、先走りを潤滑剤代わりにして音也の入り口を解してゆく。キスの合間に時折漏れる音也の声に頭の芯がとけてゆきそうだった。けれどそれを表には出さず、十分に解れたところで指を抜いて代わりに自身の性器を宛がう。亀頭で焦らすように入り口を擦ってみれば、音也の後孔が、ひくん、と誘うように収縮した。






改定履歴*
20111122 新規作成
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