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ミルクとはちみつ -6-

音也はそう言うと、驚いて何も言えずにいるトキヤの頬へとひとつキスをした。そうして先程から自分のものと触れ合っていたトキヤの性器に手を伸ばす。指先が先端に触れたところで一瞬戸惑ったものの、思い切ってきゅっと握ってみればトキヤの口からは抑えきれない艶っぽい声が漏れた。同時にどくんと性器が膨らむ感覚がして、音也はトキヤが少なからず気持ちよくなってくれているのだと実感した。

「…すごい、いま、俺の手の中でびくっておっきくなったよ。トキヤもわかった?」
「んっ、…は、う、そんなの…」
「トキヤの声、すごく色っぽい…。気持ちいい?」
「い、言わせな…いでくださ、い」
「うれしいな、俺でもちゃんと気持ちよくさせられるんだね」

そのことがただ嬉しくなってしまった音也は、そのままひとさし指と親指で輪をつくり、トキヤのものを上下に扱きはじめた。けれどいつもはトキヤにされるばかりで他人のものを扱いたことなんてない音也の手つきは恐る恐るという言葉がぴったりで、力がたりなかったのだろう。そのうちにトキヤの腰が足りない快感を強請るように前後し始める。

それに導かれるように音也がぐっと力を込めると、トキヤはそれまで瞑りっぱなしだった瞼をうっすら開いて自分に悪戯を仕掛ける恋人のことを熱の篭った目で見つめてきた。彼は声が漏れないようにと歯をくいしばっていたが、それでも抑えきれない情欲が伝わってくるようで余計にドキドキしてしまう。

「トキヤのすごく硬くなってる…ね、ここももうぬるぬるだよ?」

この数分で攻める側としてだいぶ成長してしまった音也に、空いていた左手で先端から滲み出ている先走りを確かめるようになぞられて、そのまま指の腹で亀頭にぐりぐりと塗りつけるように弄られて。いくらもしないうちにトキヤのものはがちがちに硬くなり、ただ射精したいとそれだけが頭の中を支配してしまった。腰を揺らす度自分のからだが揺れて、バスタブの湯がちゃぷちゃぷと音を立てるし、音也には自分の感じている顔をじっと見られている。そんなことは解っていたけれど、どうしても止まらないのだ。

「っぅ、く、…はぁっ、音、也…もう」
「出ちゃいそう?」

それもそのはず、ひたすら仕事に追われて寮に帰ったら風呂に入って寝るだけという生活を送っていたこの一週間、セックスはもちろんオナニーすらもやっていなかったのだ。トキヤは元々ストイックな性格だったし、彼自身そういうことに興味がないように振舞っていたが、健康な16歳の男としては溜まるものは溜まってしまうわけで。音也の硬い指先が射精を促すように鈴口を弄る度に、思わずいってしまいそうになる。

けれど思い返してみれば音也と恋人という関係になってからというもの、彼より先に自分がいくなんてことはただの一度もなかったから、急に恥ずかしくなってしまった。音也の手淫が始まってからどれくらいの時間が経っただろう。長かったような気もするし、短かいような気もする。ここで欲望のまま射精してしまって、早漏だと思われでもしたら立ち直れない。そう思ったトキヤは射精しそうになる度にぐっと腹筋に力を入れて堪えていたが、トキヤの表情を伺いながら感じるところを的確に刺激してくる音也から与えられる快感に、我慢の限界はあっという間に訪れた。

「っあ!待って、ください、先はだめ、です、あっ」
「どうして?トキヤ、きもちよさそうだよ。イきたいって顔してる…」
「そ、んな、違、っく」
「…ねぇトキヤ、俺はトキヤに気持ちよくなってもらいたいんだから、我慢しないでイってくれたらうれしいよ?それとも俺の手でいくの、いや?」

――どうして、いったい、いつのまにこんな事になってしまったのだ。体中を撫でられてキスをされて…こんなふうに性器を扱かれて普段では絶対に出さないような声を上げてしまって。本当なら撫でられるのも可愛い声を上げるのも全部音也の方で、自分はそんな彼が気持ちよくなれるようゆったり射精に導いている側なのに。

「そんな、嫌じゃないですけど、」
「嫌じゃないなら、ね?おねがい」
「〜〜っでも、おと、やぁ…」
「っ、やば、トキヤの声えろすぎ…おれもイきたくなっちゃったよ」
「あ、ぅ、…っく、はぁっ」
「トキヤぁ、一緒にイこ?ね…?」

いつの間にか潤んでしまっていた瞳で見つめられて、快感をぐっと抑えたような声で縋るように名前を呼ばれて。恋人のそんな姿を見せられた音也の性器が、ぴゅく、と先走りを吐き出した。トキヤのものを扱くのに夢中になっていたから気付かなかったけれど、見ればもう臍にくっついてしまいそうなくらいに硬く反り返っている。それを認めた瞬間にもうどうしようもなく気持ちよくなりたくなってしまって、音也はぐっとトキヤに腰を近づけると自分のとトキヤの性器、ふたつをぴとりとくっつけてそのままぎゅっと握りこんだ。

「ひ…っ」
「っはぁ、トキヤの、すっごくびくびくしてる…」
「あ、あなたのだって」
「あは、うん、そうだね。おれのももう限界、さわってなかったのにおかしいね?」
「…さわって、ほしいのですか?」
「うん。ねぇトキヤ、手貸して?一緒に握って、こうやって、ほら」
「んんっ」

音也は、ふたつ纏めた性器にトキヤの指先まで赤く染まった手を導いてきゅっと握らせると、その上から自分の手で包むようにして上下に扱いた。やっていること自体は自分でやるオナニーとかわらないのに、その手がトキヤのものだということ、それから、性器同士が擦れてどちらのものともわからない先走りでぬちゅぬちゅと滑って、何倍にも気持ちいい。

ふと見上げた視線の先、緩く開いたまま甘い吐息を零すトキヤの唇を自分のそれで塞いで、性急に舌を突っ込む。探り当てたトキヤの舌に絡ませてちゅうっと吸い上げた瞬間、充血して膨張しきったトキヤの性器の先端から白濁がびゅくっと飛び出した。幾度かに分けて精液を吐き出す度に口内でくぐもった喘ぎが響いて自分の性器を包んでいるしなやかな手にぎゅうっと力が篭り、音也もそれにつられるようにいってしまった。

「――く、ぅ、」
「っは…いっちゃったぁ…きもちい、ね、トキヤ。………トキヤ?」

トキヤが気持ちよくなってくれた、うれしい、自分に向けて笑顔をくれるかな…。そう思っていた音也が乱れた息を整えながら恋人の名前を呼んでも、返事はなかった。それどころか、トキヤの熱いからだはくてんと自分の方に倒れ掛かってきており――…

「はぁ、は、…あつ、い、」
「トキヤ?ちょ、トキヤぁっ大丈夫!?すぐベッド連れてくから!」

そう、気付くのが遅かったのだが、半身浴にぴったりになるよう張られていたバスタブの湯は音也が入ったことにより心臓が隠れる位置まで水嵩が増してしまっていて、熱いのが苦手なトキヤの心臓は射精の余韻も相俟ってどくどくと速い鼓動を奏でていた。

もしかしたらこの先も…なんて甘い期待を浮かべていた音也は、自分の欲望が招いてしまった事態に少しだけ後悔しながら、真っ赤な顔で自分に倒れ掛かるトキヤを慌てて抱え上げそのまま大慌てでベッドへと運ぶのだった。






改定履歴*
20111208 新規作成

トキヤさんが熱いお湯が苦手だとビズログで読んだときから絶対このシーン書きたいとずっと思ってました。もう本当トキヤも音也も可愛すぎて百合にしかみえない。
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