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6月♪気付かない振りをしていたのに -9-

普段から時間さえあればギター片手に歌っているか、
翔たちとサッカーをしているかのどちらかと言っても過言ではない音也の
細すぎず太すぎないしなやかな筋肉に包まれたからだは、
同性のトキヤから見てもとても綺麗なものだった。

初めて間近で見る鍛えられた腹部は健康的に日焼けしていて、うっすらと腹筋の形が見て取れる。
どこを触っても柔らかくなどないし、臍の下でパジャマ代わりのジャージを押し上げているのは
考えるもなく彼の性器そのもので、どこから見ても完璧に『男』なのに――
自分が与える愛撫のひとつひとつに反応してそのからだを跳ねさせる様子も、
不規則に上がる声も、恥ずかしそうに身を捩る様子も、全てが可愛らしい。

胸元への愛撫を一通り終え、音也の反応に満足したトキヤは、
その引き締まった腹筋に沿って舌を這わせてゆく。
触れるか触れないかぎりぎりのところで滑る舌の感覚に、音也の全ての意識は集中してしまった。

「まっ、待ってまって!!トキヤぁっ」

だから、気付かなかったのだ。ジャージが下着と一緒にぐっとずらされていたことに。
脚の付け根にキスを落とされた瞬間、やっと音也は今自らがどんな格好をしているのかに気付いた。
そこで慌てて上体を起こしたのはいいものの、目に入った光景で、瞬間、音也の呼吸が止まる。

「――待て、ですか?」

先程から絶え間なく与えられていた緩い快感によってすっかり潤んでしまっていた
赤い瞳が映し出したのは、上目遣いでじっと自分を見上げてくるトキヤと――
その端正な顔の真横にある、自分の、明らかに勃起した性器だったからだ。

「は、恥ずかしいよ…」

勃起した状態の性器を他人に見られたことなどなかった音也にとって、
それはあまりに衝撃的だったらしい。彼はやっとそれだけを口にすると、
まっかな顔をして指一本すらも動かせないまま、ただじっとトキヤの表情を見つめることしかできなかった。


今まさに音也の性器に舌を這わせようとしていたところであったトキヤにとっては、
音也の表情も声も、すべてが自分を煽る要因としか思えない。
けれど音也が嫌がることだけは、絶対にしたくなかった。

とは言えここで辞めるのも…と一瞬考えを巡らせたが、
形のよい唇からはその間もちらりと赤い舌が覗いたままであった。
音也の本心を見極めようとじっと彼を見つめる視線には熱を孕んでいて、
それを認めるだけで、がちがちに固くなっていた音也の先端から
新しい透明の雫がこぷりと溢れる。
そう、まるで、更なる快感を望んでいる証拠のように。

「…恥ずかしがるあなたもかわいいですが」
「え、あ、」
「もっと乱れるあなたも見たいのです」
「――っ、ひぁ、ぅ、〜〜っ!!」

それが彼の答えだと判断したトキヤのひとさし指が、はしたなく涎を零す音也の先端をなぞる。
そこに溜まっていた雫を掬い取られたかと思うと次の瞬間トキヤはその指先の雫をぺろりと舐めとった。
その一連の仕草は思わず見惚れてしまう程に美しくて、音也の背筋をぞくりと快感が駆け上がる。

「…っ、トキヤぁ」
「ん?あぁ、ごめんなさい。もっと気持ちよくさせてあげますからね」

音也がその言葉の意味を理解する前に、先程からちらちらと見えていた
トキヤの赤い舌が音也の性器の先端を舐める。
途端にびくんと跳ねる腰は、大きな手で掴まれて押さえ込まれた。

「ひゃう…っ!」

陰茎の固さを確かめるように裏筋を舐め上げられたかと思えば、
先端をぱくりと咥えられて、そのまま性器全体があたたかな粘膜に包まれる。
初めて感じる腰が引けてしまう程の快感に、音也はもう上半身を支えてなんていられなかった。






改定履歴*
20111108 新規作成
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