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6月♪気付かない振りをしていたのに -8-

トキヤのベッドの上、ふたりは数え切れないほどのキスを交わし、
その合間にお互いの瞳を見つめていた。
初めての行為に戸惑いながらもやはり年相応の性欲は抑えられなくて、
キスは次第に深さを増してゆく。

舌を絡めて、ちゅうっと音をさせて息継ぎをして、
まるで昨日離れ離れになっていた分すらも取り戻すように。
想いはひとつだとわかっているのに、早くこの先に進みたいような、
…そうするのが勿体無いような。不思議な感覚だった。

吐息とリップ音だけがしずかに響く部屋のある種の緊張感を破ったのは、
すうっと深呼吸をした後にトキヤが言った言葉。

「音也、痛かったらすぐに言ってください」
「…うん」
「それから、きもちいいところも言って」
「え?」
「知りたいんです、あなたのこと。私にぜんぶ、おしえてくださいね」
「……わかった」

自分から見えるトキヤの表情も声も、けして余裕があるようには思えないのに、
それでも自分を気遣ってくれているのがうれしくて、音也は素直にこくんと頷いた。

「――可愛い、音也…すきです」

高揚をぐっと抑えた、ひくくてあまい声で呼ばれる自分の名前と『すき』の言葉。
ただただうれしくて、緊張で固くなっていた音也のからだもこころもとけてゆく。

「俺も。トキヤのことが、すっごくすきだよ」

ふにゃりとわらう音也の表情にほっとしたのだろう、
トキヤはいよいよ本格的に行為を進めることにしたようだ。
先程からのキスの合間にシャツを脱がせていた音也のからだへ、
次々とキスをおとしていった。

音也は、自分の頬や首筋、それから胸元に始まり腕や指先まで、それこそ
からだ中至るところにキスをされるたびに聴こえる、ちゅ、ちゅっというリップ音を
目を閉じて受け入れながら手の甲で口を隠し、声が出てしまうのをひたすら我慢していた。
けれど、トキヤが身じろぎする度に健康的な色の肌にトキヤのネクタイが滑り、我慢も限界にきてしまう。

「っぁ、んっ、こ…コレ擽ったい、トキヤ」
「…あぁ、では、あなたが解いてくれますか?」
「ん…うん」
「それから」

覆いかぶさったままのトキヤのネクタイを解こうと手を伸ばしていた音也が、
トキヤの言葉に反応して彼を見上げる。
視線が合った瞬間に、トキヤはゆるく開いていた音也の口にひとさし指を差し込んでしまった。

「んんっ、ト、トキヤ?」

トキヤは、慌てた音也の舌足らずな声にもふわりとわらって応えただけで、
そのまま指先で舌を擽るように撫でながら、音也の胸で
ひかえめに主張している乳首を撫でるように指でなぞった。

「ひゃうっ、あ!らめ、ゆびかんじゃうよ」
「あなたに噛まれるのも一興ですが――、声。我慢しないで下さい。
 きもちいいところ、教えてくれるって言ったでしょう?」
「ときや、いじわる、や…っ」
「意地悪じゃありません。あなたを可愛がりたいんです。だから、ね?」

綺麗な笑顔でにこりと笑ってそのままきゅっと乳首を摘むトキヤに急かされるように、
音也は震える指先でようやくトキヤのネクタイを取り去ると、そのままトキヤの首に手をまわし
甘えるように抱きついた。きっと顔を見られないようにと考えての行動なのだろうが、逆効果だ。

「あ、んっ、ぁ!!」

トキヤは音也の口内から指を抜き取ると、彼の唾液で濡れた指で
目の前にある乳首をふにふにと押しながらもう片方に舌を這わす。
やわらかく食むように刺激したかと思えば、今度はちゅうっと吸い付いて。
トキヤ本来の意地悪な性格がそのまま現れたような愛撫で桃色のそれがすっかり勃ち上がる頃には、
音也はもう声を我慢することは忘れてしまっていた。






改定履歴*
20111107 新規作成
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