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僕の悪魔 -2-

「さぁ坊ちゃん?おねんねの前に先程の続きを聞かせてください」
「え…?」
「焦らさないで下さいよ。私のことを完璧な執事だと仰ってくださったでしょう?」
「ああ…言葉通りの意味だ。淹れる紅茶は勿論、作るスイーツもおいしいし、仕事の補佐も完璧」
「お褒めいただき、光栄です」
「夜だって、こうやって僕が寒くないように暖めてくれる」
「私は、あくまで執事ですから。主人の為ならば何でも致します」

主人の真意を計りかねた執事の返答にシエルは閉じていた瞼を開け、
すぐ傍にある紅茶色の瞳をじいっと見つめてきた。
その瞳に浮かんでいるのは、言葉とは逆の感情。
不満そうな蒼の瞳にセバスチャンはひとつ苦笑いをすると、
さわり心地のいい頬を撫でてゆっくりとそのちいさな身体に覆いかぶさった。

「褒めて下さる割には、ご機嫌斜めのようですね」
「別に、そんなこと…」
「あまり、よくありませんでしたか?」
「、ん…っぁ、んっ」

半ば夢の中にいたシエルの細い指にしなやかな自分の指を絡めて、
先程までのセックスの最中といくらも変わらない深いキスを繰り返して。
足りない酸素を求めるように開いたシエルの唇の端から
飲み込みきれない唾液がつうっと零れ落ちたところでようやく満足した悪魔は、
シエルの唇から首筋へと愛撫を移していった。

「ばか、まだやるつもりなのか」
「ご満足いただけるまで、何度でも」

夜着のボタンを器用に口で外し露になった鎖骨を舌で辿ってみれば、
シエルは擽ったそうに身を捩らせた。
ちいさな薄い桃色の乳首は舌で押しつぶし甘噛みすればすぐにぷっくりと立ち上り、
その可愛らしい素直な反応に悪魔は口角をあげる。そのままうすい腹筋を
舌と唇で下へ辿ってゆくセバスチャンの髪を、シエルの指が時折愛しそうにかき混ぜた。

「ん…っ、はぁ、セバスチャ…」
「坊ちゃん…可愛いです、いくら抱いても足りません」

戯れにシエルの性感帯である脚の付け根にキスマークをつければ、びくんと震える恋人のからだ。
散々射精した後だというのに健気に立ち上がって震える性器に唇を寄せた時だ、
いつもと明らかに違うシエルの声が聞こえたのは。


「……ふふっ、ほんとうに、おまえは完璧な執事だ」


いつもならばこんな時は、可愛らしい高い喘ぎ声が聞こえるはず。
あまくあまく自分の名を呼ぶ声に誘われて自らのものが硬くなってゆくのに、
こんな泣きそうな声を聞かされては続きをする気になど到底ならない。
何より、こんな時に笑いながらも泣きそうな声を出されたのは初めてで…
セバスチャンは慌てて性器から手を離し、改めて組み敷いていた主人の表情を伺った。






改定履歴*
20110802 新規作成
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