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横顔 -2-

人間と悪魔
本来は出逢ってはいけない存在
それでも、その気高い魂に惹かれて契約を迫った

あの美しい蒼の瞳をひとつ自分の色に染めて
綺麗なお召し物で包んで外敵に足を掬われないようお護りして
朝から夜まで、それこそひと時も離れないよう傍にいて
それだけで満足なんだといくら思い込もうとしても
私のこころは全然言う事を聞いてくれない



欲しいならいつものように食べてしまえばいいのに
それすら勿体無いと思う
魂だけでは足りない、身もこころも全て自分のものにしたい
たべることによって得られる一時の快楽よりも
ずっとこのまま傍にいたい、と思うなんて
――悪魔はこんなに欲の深い生き物だっただろうか



毎朝の着替えを手伝う度、毎晩入浴の手伝いをする度に触れる
あのちいさくて温かなからだ
触れる手に意味があると知ったら彼はどう思うだろう
人間とちがって悪魔に性別なんて関係ないけれど
きっと彼にとってはそうもいかないだろうから
せめてもの自制の為に今日も手袋は外せない

…そんな悪魔らしくない涙ぐましい努力をしているというのに
最近ではそれを無にするようなことをする主人にため息がでる

ずっと、気付かないフリをしていた
ちいさな主人がちらちらと私を見る視線
じっとそのまま暫く見つめられていたかと思うと
かぁっと顔が赤くなって次の瞬間逸らされる

毎日毎日飽きる事なく繰り返されるその仕草がひどく愛しくて
できることならそのからだを抱き上げて甘やかしてあげたくなる
そんなことをしたらプライドの高い主人の機嫌を
損ねてしまうことがわかっているからなんとか抑えていた


けれど、もうそろそろ限界
ねぇ坊ちゃん、その赤く染まった頬に触れて、キスをしてもいいですか?


貴方の横顔に恋をした







改定履歴*
20110729 新規作成
タイトルは大好きな曲名から。
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