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横顔 -1-

人間と悪魔
本来は出逢う筈のない存在
それでも出逢えた

それだけで満足なんだといくら思い込もうとしても
僕のこころは全然言う事を聞いてくれない



人間とは本当に欲の深い生き物だ
願いが叶えばさらなる願いが生まれて
どんどん欲張りになってゆく
――そしてそれは、もちろん、僕も例外じゃなくって



いつからだろう 『触れたい』 なんて思い始めたのは
あの声で名を呼ばれるだけで満足だったのに

僕は人間で、あいつは悪魔
そのうえ男同士。

いくら近くにいても想っても実らない、
世界でいちばん不毛な恋だとわかっていても
目覚めてしまった想いは止まってくれない

ひくくてあまい、僕の大好きなあの声で名前を呼ばれる度、
あの大きくて筋張ったオトナの男らしい手で触れられる度に
すこしずつ成長してゆく気持ち
もうそろそろ抑えることができなくなってしまうかも

最近では真っ直ぐ顔を見ることすらできないから
並んで歩くとき、わざと歩調を遅くして
半歩後ろからちらりと見上げてみるんだ

切れ長の目を縁取る長い睫毛、艶めく漆黒の髪
鼻だって口だって、セバスチャンを構成するひとつひとつがとても綺麗で…
悪魔とは、みんなこんなに綺麗な顔をしているんだろうか
それともこいつだけが特別なんだろうか
たとえいくら綺麗な悪魔がいたとしても僕はセバスチャンしか要らないんだけれど

…こんなくだらないことを考えてしまうくらいにはこの悪魔に夢中なんだ


僕の身長は低いから、こうやってじっと見ていても、
多分、セバスチャンの視界には入ってない
ちっとも伸びない身長を疎ましいとおもっていたけれど
こんな利点があるのならばそれもいいかと思えてきた


あなたの横顔に恋をした







改定履歴*
20110729 新規作成
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