top * 1st * karneval * 刀剣 * utapri * BlackButler * OP * memo * Records

第58話の続きを妄想した結果/『嫌いにならない?』シエルver -2-

先程まで部屋を覆い尽くしていたあまくてあつい空気がようやく落ち着きを取り戻してきた頃、
ベッドの上には困ったような笑顔の執事と、その傍らでシーツに頭まですっぽりと包まったシエルがいた。

「坊ちゃん」
「嫌だ」
「坊ちゃん、ですが、お風呂にはいらないと汗や精液でべとべとのままですよ」
「せ、せいえき…って」
「だってそうでしょう?貴方が出した分と、ココの中には私のものがたっぷりと」
「わぁあ!ヤメロばか!へんたい!」

先程から幾度となく繰り返されてきたやりとりにそろそろ飽きた執事は、
断りもなくシーツの中に手を這わせ、その奥まった入り口をつうっと撫で上げた。
途端にぺちんと叩かれる手に、まるで仔猫がじゃれているようだと苦笑いをひとつ。

「まったく、我侭なご主人様だ」
「だって」
「恥らう貴方も眩暈がするほど可愛いのですが、ちゃんと洗わないとおなかが痛くなるでしょう?」
「でも、だって」
「だって、何です?先程まではあんなに積極的に腰を振ってくださっていたのに」

そう、いつもならばセックスの後は一緒にバスルームへ行き、汗やなにもかもを洗い流すのだが、
今日に限ってはそうは行かなかった。行為が終わって目が合った途端に
シエルは赤い顔をさらに真っ赤にして、シーツに潜ってしまったから。

「…だからだ」
「え?」
「ここはいつもの屋敷と違うから、何だかついいつもより甘えてしまって…
 その、声とか、たくさん出てた気がして。恥ずかしくてしにそうだ」

シエルはいつもよりだいぶ乱れていたし、いつもならば口にしない言葉も言ってくれた。
きっとそのことが原因なのだろうと予想はついていたが、実際にそれを本人の口から聴くと
一度は力をなくしていたものが思わずまた勃ってしまいそうなほどに可愛らしい。

「なにをそんなに可愛らしいことを仰っているのです」
「だって僕はまだこどもだし、男なのに。あんな声をだすなんて」
「私が好きなのだからいいではないですか」
「じゃあ、さっきの僕みたいなのでも平気か?き…嫌いにならないか?セバスチャン?」
「嫌いになんか…!」

シーツの隙間からちらりと目線だけで自分の様子を伺いながら、
おそるおそるそう尋ねる様子のなんと可愛らしいことか。
セバスチャンは、思わずシエルをシーツごと抱き寄せてしまうのを我慢できなかった。

「いつものお屋敷での声を我慢して恥らう姿も、旅先で乱れてくださる姿も。
 そのどれもが、私にとって最高に愛しい存在です」
「……ん。よかった…」
「ですから、ね?出てきてください。お風呂にいきましょう」
「ん」

改めてゆっくりと誘う言葉にこくんと頷いて、シーツの中から腕を伸ばし
きゅっと抱きついてくる主人の、ほんのりあかく染まった頬にキスをひとつ。
セバスチャンはそのままちいさなからだをひょいと抱え上げ、バスルームへと向かったのだった。




****
「――はぁ、最高でした…」
「おまえ…顔がゆるっゆるだぞ。何を思い出していた」
「いえ、ただ昨夜貴方がセックスの後涙目でシーツの隙間から顔を出して
 『嫌いにならない?』と言ってくれた様子がものすごくリアルに思い出されまして。
 シーツからすらりと伸びた脚と、その後腕を伸ばされた時に露になったうすい肩、とっても素敵でした」
「!!!ばかばか!もう降ろせ!」
「いけません坊ちゃん、脚が痛いでしょう?」
「執事風情にこんなに辱められるくらいなら、痛いほうがマシだ!」
「おや、痛いのもお好きで?」
「言い方がやらしい!」
「痛くするのは得意ですが、ですが坊ちゃんはまだお子様ですからね、ちょっと早くないですかね?」
「人の話を聞け。それからそのこどもに盛って毎晩腰を振っているのはどこのどいつだ」
「坊ちゃん、わかりました!痛いのも少しずつ慣らしていきましょうね?」
「人の話を聞け!!それから、さっさとリアンを探しにいくぞ!!働け、馬鹿犬」
「イエス、マイロード!お仕事を終わらせてふたりでゆっくりしましょうね、坊ちゃん」





end

改定履歴*
20110702 新規作成

坊ちゃんが顔をまっかにして執事が吹き出して笑っていた件について、お友達との萌え語りの際に出た『以前に坊ちゃんとセバスチャンで似た様な会話をしたことがあったとかだったら萌えるなー』っていう妄想を元に書かせていただきました。『ベッドの中で乱れ過ぎちゃった坊ちゃん』を書くのがなんだかとっても難しくて楽しかったです*^^*ありがとうございました!
- 4/5 -
[] | []



←main
←INDEX

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -