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第58話の続きを妄想した結果/『嫌いにならない?』シエルver -1-

エリザベスとスネークを救命ボートに乗るエドワードに託し、『必ず戻る』と約束をしたのが数分間。
先程の死神達の来襲の際に脚を痛めてしまい歩くこともままならないシエルは、自分を抱き抱えている
セバスチャンに指示をしながらこの事件の鍵を握っているリアンを探すため船内を捜索…
していた、筈だった。

「…笑いすぎだ、セバスチャン」
「申し訳ありません。つい。………も、もうだいじょうぶです」
「どこがだ!まだ声が笑ってるじゃないか!」

ところが、先程からセバスチャンはひどく楽しそうにくすくす笑っていて、
シエルはなんとかそれを諫めようとするものの、その顔は恥ずかしさで
赤くなっている上に焦った口調だから逆効果だ。

いつもは何があろうとポーカーフェイスで執務をこなす完璧な執事が
こんな風に表情を崩してしまうのには、もちろんちゃんとした理由があった。



****
それは丁度昨夜の今頃のこと。ふたりはカンパニア号に乗船してからというもの、
夜といわず昼といわず時間さえあればくっついてキスをしたり抱き合ったり、
豪華客船のいつもとは違う雰囲気に誘われるように甘い時間を過ごしていた。

とりわけシエルの変わりようは今までに見たことのないくらいのもので、
セバスチャンがアフタヌーンティの紅茶を淹れているところに寄ってきて
燕尾服の裾をきゅっと握りじっと見上げてキスをねだってみたり、
抱きかかえられたままうたた寝をしてみたりと、とにかく愛らしい。

セバスチャンは、恋人のそんないつもとは違う様子に初めこそ内心驚いていたものの、
半日も経たないうちに両手を広げてその可愛らしい行動を受け入れ、甘やかしていた。

どうせ二日後には女王の番犬とその執事としての仕事が待っているのだ、
この全力で非日常な雰囲気を今くらい楽しんでもいいだろう――そう、思ったのだ。


シエルの様子が『いつもと違う』のはセックスの時も同様で。いつもなら、
恥ずかしい嫌だ灯りを消せとうるさいわりに喘ぎ声は頑なに我慢するのだが、
船上では普段が嘘のように可愛い声を惜しみなく聴かせてくれる。

「さぁ坊ちゃん、挿れますよ。ちからを抜いて…」
「ぁ、あ、〜〜っ!」

屋敷のように使用人はいないし、例え少し声が漏れたとしても
絶え間なく聞こえる海の波がかき消してくれる…船での初めての情事の際に
悪魔が耳の傍で囁いた言葉が、今も威力を発揮しているのだろう。

「あ、んっ、セバスチャン、セバスチャ、」
「かわいいですね、坊ちゃん。声を聴いているだけでイけそうです」
「…セバスチャンは、ぼくの声がすきなのか…?」
「はい。この時の貴方の声は、普段の凛としたものに可愛さといやらしさが混じっていて…、
 優しくしないといけないのに、ひどくしたくなってしまうから困ります。
 悪魔を誘惑するなんて、さすがは女王の番犬…といったところでしょうか?」
「ふふ、悪魔でも誘惑されるんだな」
「ええ、このように。もっと奥を擦って、もっと啼かせて差し上げたくなる」
「――あ!っや、ぁん、んう…っ」
「たくさんたくさん、声をきかせてください。坊ちゃん」

とにかく、かわいらしい唇から漏れる喘ぎは悪魔の鼓膜をここちよく揺らしてくれる。
『もっとこの声が聴きたい』という欲求が出てくるのも、ある意味仕方のない事だろう。

セバスチャンは一度だけシエルの奥にある一番きもちいいところを抉るように擦り上げると、
焦らすように大きく張り出した先端で入り口の浅いところを出し挿れするように刺激した。

ただそれだけで、シエルの腰は足りない快感を探すようにゆらゆらと揺れる。
大きな瞳に涙がじんわりとたまっていく様子にうっとりと見惚れていると、
ちいさな口が何かを伝えたいかのようにぱくぱくと動く。
相変わらず腰をゆっくり動かしながら頬を撫でてやれば、シエルはその手に自分の頬を擦り寄せた。

「坊ちゃん、如何なさいました?」
「はぁ、は、んっ、…セバスチャン、もっと」
「もっと、何です?おしえてください」
「ぅ、セバスチャ、いじわる…」
「悪魔ですから。ね、坊ちゃん。もっと…何?」
「〜〜ッ、も もっと、おくまで挿れて、…セバスチャンの大きいのでいっぱいにして…っ」
「イエス、マイロード」

涙目で自分を見つめながらのいやらしいおねだりに、悪魔の口角が上げる。
お望み通りに、とシエルが好きな奥の所や前立腺を大きくそそり立ったモノで擦り上げてやれば、
願ったとおりにシエルの口から零れる、あまく響く喘ぎ声。

「あっ、あ、やぁ、あんっ!」
「坊ちゃんはここが本当にすきですね?突く度にきゅうっと締め付けて、いやらしい」
「も、だめ、いく、いくからぁっ、ひぅ」
「きもちいいですね…かわいいです、私も余裕がなくなってきてしまいました」
「あ、あ、セバスチャぁ…」
「坊ちゃん、一緒にイっていいですか?貴方のなかで出させてください」
「ん、うん、だして、セバスチャンのあったかいの、僕のなかに全部」
「――ッ、坊ちゃん…!」

シエルが途切れがちな声で誘う言葉は、やさしく苛められる程に乱れてゆく姿と相俟って
悪魔の余裕をあっというまに奪い去ってしまい、煽られたセバスチャンは
まだ幼い恋人のからだに、散々焦らした分もたっぷりと精液を注ぎ込むのだった。






改定履歴*
20110701 新規作成
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