top * 1st * karneval * 刀剣 * utapri * BlackButler * OP * memo * Records

悪魔の所有物 -4-

「ぁ…セバスチャン、やっぱりだめだ、こんなところで」
「今更何を仰るのです。脚、上げますよ」

シエルの息が上がり後孔が十分解れてきた頃、セバスチャンはシエルの片足をぐっと抱えると
そのまま大きく硬くなった性器をシエルの中へと突き入れてきた。
いくら解したといっても、立ったままの体勢で受け入れるはあまりに苦しい質量と熱さに、
シエルの口から悲鳴とも嬌声ともつかない声が零れる。

「やめ、ぁ、セバスチャンッ」
「そのように甘い声でやめろと仰られても、逆効果です。それともわざと仰っておいでですか…?」
「違…っ、あ」

悪魔の背中越しに不意に開け放たれたままのキッチンの扉が目に入って、
快楽に流されつつあった意識が引き戻された。
挿れられただけでこんなに声が漏れるのに、この上動かれてはどれだけ声を出してしまうかわからない。

「やぁ、ドア、ドア閉めろ…、声、が」
「嫉妬した悪魔がお利口に命令を聞くと思いますか?声を聞かれるのが嫌なら、我慢してください」

慌てて抗議をしたもの、意地悪な悪魔は訴えを聞き入れようともせず律動を開始する。
口角の上がった口から見える悪魔の牙に、この男の本性を見た気がした。

「う、ゃ、や…!セバスチャン、僕が悪かったから、だから、ここでは」
「…嫌だやめろと言いながらも、貴方のここは私を逃がさないようこんなに奥までずっぽりと
 咥えこんで、苦しいほどに締め付けていますよ。からだは正直ですね?」
「や、言うな…っん、あ、」
「その、言葉で苛められて感じる淫乱さ…素敵ですよ」
「ひぁ!」
「ほら、また締まった。本当に、あなたはいやらしいからだをお持ちだ」

性器が抜けてしまいそうになるくらい抱え上げたかと思うと、
次の瞬間には腕のちからが抜かれて奥いっぱいまで擦り上げられる。
片足のつま先がようやく床につくくらいのシエルは、
落ちないように必死に自分を抱く執事に縋り付くので精一杯。

「ぁ、あ、…っ、はぁ、は、セバスチャ、セバスチャン…」
「可愛らしい婚約者を放って執事に抱かれる伯爵なんて、英国中探しても貴方以外に居ませんよ」
「っだ、め、駄目、いっちゃ…、あぁあっ」
「どうぞ、坊ちゃん。全部出してください」
「――〜っ、ひぁ、あ…!」

『言葉で苛められて感じる』というのは、当たっているのかもしれない。
ともすれば侮辱ともとれる辛辣な言葉の裏にある、自分に対する独占欲がひどく嬉しくて、
強く内側を擦られる痺れるような感覚があまりに気持ちよくて、シエルは白濁を吐き出した。
それに応えるように狭い内側で大きくしゃくりあげるセバスチャンのものに反応して、
細身のからだががくがくと痙攣する。声を我慢することは、とうに忘れてしまっていた。



射精が終わってもなお存在感のある悪魔のものが引き抜かれて、
シエルはほっとため息をつき、自分を抱きとめている悪魔の背に回した腕に力をこめた。
汗の滲んだ額や髪に幾度も降ってくるキスは、ベッドでのものと同じ優しいもので、
それから察するに、少しは悪魔のご機嫌も治ったようだ。そう思うと嬉しくて、
つい、頬をうっすら汗の滲む首元へとすり寄せた。そうすれば、いつも通りそっと撫でてくれる大きな手。

「セバスチャン」
「はい、坊ちゃん」
「婚約者を、放って…と言ったな」
「――ええ。執事風情が出すぎた事をと、お叱りですか?」
「いや、その通りだ。僕は婚約者を泣かせた夜でも浅ましく悪魔を求める」
「私好みに育ってくださって、嬉しい限りです」
「とんだ教育をする執事に掴まってしまったものだ」
「貴方が呼び出したのでしょう?」

くすくす笑いながら、ちゅうっと可愛らしい音をたてて、何度もキスを繰り返して。
ようやく息が整ったころ、シエルは紅茶色に戻った悪魔の瞳を見つめて静かに口を開いた。

「僕は復讐を遂げる為なら何でもやる。さっきのエリザベスとのことは…、
 あれは、婚約者を安心させるのも、ファントムハイヴ家当主としての義務だ。けれど」



「僕が欲しいのはおまえだけだ、セバスチャン。おまえ以外と肌を合わせるつもりはない。
 ――たとえ誰を傷つけることになっても」

たっぷりの間の後、思い切ったように紡がれたシエルの本心と、
つい先程まで啼かされていたとは思えない強い意志をもった視線に、セバスチャンは
一瞬驚いたように目を丸くしたが、次の瞬間、口角を上げて笑顔を作り、満足そうに微笑んだ。

「では私も、貴方だけに尽くしましょう。貴方の望みが叶い、魂をいただくその日まで」
「僕はおまえの『モノ』なんだろう?所有物に対して、随分ご丁寧なことだな」
「坊ちゃん、失礼ですがそれは意味を履き違っておいでです。私が言いたかったのは――…」





初夏の夜風が、ドアを開け放したままのキッチンの中へ庭園で咲き誇る薔薇の香りを運んでくる。
広間はまだ夜会で賑わっているのだろう。
主催として早くその場へ戻らないといけないのは解っているけれど、
シエルは、耳元で囁くようにして贈られることばに、顔が赤くなるのを抑え切れなかった。
この顔の火照りが収まるまでもう少しの間、このまま恋人と一緒にここにいるのも悪くない。


『あなたは私の、恋人ですから』





end

改定履歴*
20110526 新規作成

リク内容:16才位に成長した坊っちゃんが、同じく美しく成長したリジーに迫られて、嫉妬したセバスが物陰に連れ込んで…なお話/R18 (T様) ありがとうございました!
- 4/4 -
[] | [次]



←main
←INDEX

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -