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ご主人様のベッド -5-

セバスチャンとキスをするのは、初めてじゃない。
こうやって絡められる舌の甘さだとか、温度だとかにも覚えはある。
けれどここはベッドの中で、僕は夜着一枚で、後ろから抱きしめられていて、
あまつさえセバスチャンの無遠慮な手は僕の胸元を撫でるように触り続けていて…
突起を掠られるたびに跳ねるからだは、まるで自分のものじゃないみたいだ。

「んん、ん――、ぷは、はぁ」

慌てたせいなのか息の仕方がわからなくて、無理やり首を横に捻ると、それでようやく解放される。
涙で滲んだ目の端に映ったセバスチャンの顔は、今まで見たことないような妖艶なものだった。
ちらりと見える赤い舌からはつうっと銀の糸がのびていて、
それが繋がっている先にあるのは――僕の、舌。

「坊ちゃん、可愛いです…」
「うるさい…、も、見るな」
「余計可愛いです。どうしましょう、我慢も限界なのですが。ホラ」
「っ!!!うわぁ!馬鹿、何してるやめろ!」

思わず声が大きくなったのは、仕方ないことだと思う。
こともあろうに、発情した悪魔の熱いモノが、僕の股の間に挟まれたのだから。
本当は、気付いていたんだ。キスの途中あたりから、尻に熱い『何か』があたってるってこと。
でも考えたくないから気付かない振りしてたのに…僕の努力は水の泡で、
感じる身の危険度は高まるばかり。もっと言うならば、貞操の危機だ。

うすい夜着だけを身につけて寝るのは小さい頃からの習慣で、
それはちょっと考え直すべきなのかもしれない。捲り上げられるだけで
こんなに簡単に下半身が露出することになるなんて、想像もしていなかった。

「擦りつけんな…ぁ」
「無理です。貴方の脚が柔らかくて暖かくて、止められません」
「馬鹿執事、僕は男だぞ」
「解っています。ここに、可愛らしい『しるし』がありますものね?」
「ひぁ!なに、なにしてるんだ馬鹿!」
「健気に立ち上がって、蜜を零して…なんてかわいらしい」

セバスチャンの長くてしなやかな指が僕の性器に絡んで、耳元でそんなことを囁かれて…
もう、どうしたらいいかなんて全然わからない。
扱かれて腰が引けると、股に挟み込んでいるセバスチャンのアレを擦ってしまって、
それが自分の性器を擦って、もう本当に逆効果だ。

「さぁ坊ちゃん…お手を貸して。大きくなっているの、わかるでしょう?」
「ば、なに言って…や!握らせんなぁ!」

必死に毛布を抱き込んでいた手をとられてセバスチャンのと自分のを交互に触らせられて、
もう僕は本当に泣きたくなった。だって、大きくなっているんだ。
セバスチャンのも、そして…認めたくないけれど、僕のも。
大きな手に導かれるまま自分のを握らされてニ、三度上下に扱かされれば、
初めて感じる気持ちよさに頭がおかしくなりそうだ。

股に感じるセバスチャンの熱が前後し始めてしばらく経った頃、
僕はある感覚で頭が一杯になってしまった。
初めは無視しようと試みてみたものの、こんなことをされて緊張しているのか、
時間が経つにつれて要求はますます大きくなるばかり。

「や、も…、だめだって、セバスチャン」
「何故ですか?」
「ト、トイレ、いきたい」
「………出してください。大丈夫。それ、トイレのじゃないですから」
「え、あ、やぁっ!!むり、出る、あ、ぁ…!!」

恥ずかしさをぐっと堪えて口にした要求はあえなく却下され、それどころか、
僕の手ごと僕の性器を握って扱いていたセバスチャンの手の動きが、
先程までよりもずっと早く大きくなる。
あっという間に僕の我慢は限界に達し、そのまま、ベッドの上で、出してしまった。

同時に感じる、暖かなもので自分の股が濡れる感覚。
実際に挿入された訳ではないのに、股の間でびくびくと震える悪魔の熱と、
耳元で時折漏れる切なそうな吐息に、耳までも犯されているような気がした。



「う、ひっく、…馬鹿、意地悪、あくま…」
「悪魔は正解です、意地悪して申し訳ありません」
「ばか…」
「ごめんなさい、坊ちゃん。きもちよかったですか?」
「…っきもちいいわけあるか!こんな、ベッドの上で、こんな…トイレ行きたいって言ったのに」
「何を仰っているのです。これは精液ですよ?ベッドの上で出すのが当たり前なのです」
「せいえき…?」
「坊ちゃん、初めての射精、おめでとうございます。あまりの可愛らしさに、私も出してしまいました」

にこにこ笑顔で知りたくもなかった現実を教えられて、思考が固まる。
しゃせい、射精…え?今のが?
僕の初めては、悪魔の手に出してしまったっていうのか!?






改定履歴*
20110429 新規作成
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