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聴きたいけど、今日は。

ふわり、優しい感触が唇に触れる。
夢の中からゆるゆると引き戻される感覚。
唇の端を舌でぺろりと舐めあげられると、ぴくんと体が震えるのが解った。
――気持ちいい。もっと。

目を瞑ったまま腕を首に回して引き寄せてみると、
その意思が伝わったのか先程までよりも大胆に舌を絡めてきた。
ペンギンからおれを起こしてまで求めてくるだなんてめずらしい、
そう思うと嬉しくて、髪を撫でようとしたところでその感触が違う事に気付く。

目を開けると、そこに居たのはキャスケットだった。
思いがけない人物の登場で、あまりの驚きに一瞬思考が止まる。
キャスケットは、ローと目が合うと無邪気に笑ってみせた。

「オマエ、何して…」
「だって、昨日の船長のこと思い出してたら、おれ…もう我慢できなくなっちゃった」
「っ、だからって」
「ね、…ダメ?」

今までキャスケットのことを可愛いなと思うことは多々あった。
しかしそれは、兄が弟を見守る気持ちと言うか、バカな子ほど可愛いとか
そういった類のもので、こんな可愛さは知らない。
こんなに純粋な瞳をして、笑顔でセックスに誘うなんて反則だ。

ローが拒否できないのを見抜いたのだろうか、
キャスケットは頬に一度だけ軽くキスをするとまた唇の中の甘い舌を堪能し始めた。
もちろん、手はローの服を脱がしながら。

「船長、大好き」

そう言うと、すでに大きくなり始めたローのものをそっと片手で包んで扱きはじめる。
少しずつ硬度を増すそれは、キャスケットを喜ばせるのに十分なようで、
体中にキスを落とす途中に垣間見える表情は、嬉しそうな笑顔のままだ。

「っあ、ん」
「しっ、ペンさんに聞こえちゃいますよ?」
「…!」
「ちょっとだけ、声我慢しててくださいね…」

隣へ声が響かないようにと、自然に会話は小声になる。
耳元で囁くようなそれはまるで、官能を誘う呼び水のよう。

キャスケットは、まだ完全に大きくなりきっていないそれを全て口の中に収めると、
先端をくるりと一度舐めた後、吸うように刺激してきた。
全体が暖かな口内の粘膜に包まれ、舌はその間もゆっくりと動く。
思わず腰が浮いてしまう程の快感に、ローは咄嗟に腕で口を覆った。

「船長の、すごい大きくなりましたよ」

いいように口内で可愛がった後、キャスケットは口に収まりきれなくなったそれに手を添えて、
愛しそうに舐めながら上目遣いでそう囁いた。そのまま、舌をどんどん後ろへと滑らせて、
暖かな舌で入り口を優しく解したかと思うと、指を挿入し上側を刺激する。
その間にも片方の手はローを包んだままで、与えられるのはおかしくなりそうな程の快感――

「………―――っっ!」

声は、なんとか抑えることが出来た。
びくびくと痙攣するローのものから勢いよく放たれる精液が、キャスケットの手を汚していく。
それを嫌な顔ひとつせずに入り口に塗りこむと、自身の先端をそこに当ててローに覆いかぶさった。
ローは快感と羞恥のせいで滲む涙を湛えた瞳で、キャスケットを仰ぎ見る。

「よくできました。おれも船長の可愛い声聴きたいけど――」
「キャス…」
「今日はごめんね、残念だけど、塞いでおくから」
「んっ」

キャスケットは声が漏れないようにと口付けをしたまま、ローの体を押さえて腰を一気に前へと突き出した。
ローの瞳からは堪えきれなくなった涙がぽろぽろと雫になって頬を伝う。
それは、悲しみの涙ではなく、快感によるものだとすぐにわかったので、
キャスケットはそのまま律動を続けた。

自分の背中へと回された腕に力が入る。
塞いだ口の中で微かに聞こえる、甘い喘ぎ。
そして、自分だけを映している、潤んだ深い藍の瞳。

全てが愛しくて、少しでも長く自分のものにしておきたくて、
気を抜いてしまうとすぐにでも達してしまいそうになるのを必死で堪えながら突き続けた。
そのうちにローの体が一際大きく跳ねて、自分のものが強く締め付けられる。
その強烈な快感には抗うことができず達してしまったのだが、ローと同時だということが堪らなく嬉しかった。



****
「お前、隣にペンがいるのによく来れたな」

暫く後、呼吸が落ち着いたローは小声でそう切り出した。

「さっきも言ったでしょ、船長の乱れた姿思い出してたら我慢できなくなっちゃった、って」
「あのなぁ…」

こいつは本当に良くも悪くも正直者だ。そう思うと思わず溜め息が出る。
でも、その素直さが愛しくて、抱かれて満足しているのも事実。
――結局、おれもコイツと同じ、正直者ってことか。

「ねぇ船長。また、来てもいい?」
「…毎日じゃねェなら」

思わず口を突いて出た本音に我ながら呆れるが、
それを聴いたキャスケットの笑顔がとても可愛らしいものだったので、
まあいいか、と初めて自分からキスをした。






改定履歴*
20090920 新規作成
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