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Happy Valentine's Day! -4-

「優しくいたします。力を抜いていてくださいね」

唾液で濡らした指で、初めはゆっくり、浅いところを解すように。
シエルが痛みを感じないようにゆるゆると動かしながら指の本数を増やしてゆく。
指を曲げてシエルの内側を強めに刺激すれば、
可愛らしい喘ぎ声が聴こえてシエルの腰からかくんと力が抜ける。
セバスチャンは片手でシエルの腰を支えながらも、指の動きを止めようとはしなかった。

「私につかまって、緊張しないで…」
「……っ!ぁ、ん…」

言われるがまま首に腕を回して抱きつき、腰をすこし突き出すような体勢で
快感を拾い始めたシエルをいたわるようにゆっくり背中をなでてやると、
耳元で押し殺したような喘ぎが漏れる。
力が抜けた一瞬を逃さないようにある一点をぐいと押せば、
一層大げさに跳ねるからだ。声にならない喘ぎが心地よい。

目線と目線が交差すると、もう逸らすことなんてできなかった。
だいすきな紅茶色の瞳に自分がうつっているのが嬉しくて、
シエルはまるで頭の芯がとけていくような、不思議な感覚に囚われていた。
その間も後ろでは相変わらず長い指がぐちぐちと水音を立てながら敏感な内側を犯してゆく。

シエルの息があがり後孔が十分に解れたのを確認した後、
セバスチャンは指を抜くと自分のモノをニ三度扱いて入り口へと宛てがい、
シエルの頬に手を添えて低くて甘い悪魔の声で囁いた。

「さぁ、このまま腰を落としてみてください」
「え…?」
「ご自分のペースで挿れてくださればいいですから…できますか?」

たっぷりの間の後、こくんと小さく頷いたシエルの額にご褒美のキスをして、
焦らすようにシエルの入り口に熱を擦りつける。
それでも、そのまま動けずにいる恋人の緊張を解すように背を撫でてにこりと笑ってみせた。
まるでその笑顔に導かれるように、シエルはひとつ深呼吸をしてゆっくりと腰を落とし、
大きくて熱い熱の塊を自らの中へと導いてゆく。

「はぁ、はっ、セバスチャ、セバスチャン…」
「焦らないで、ゆっくり…お上手ですよ」
「っあ、ん、…んぅ」

大きく張り出している先端をようやく埋めたところで、
すっかり赤く染まった頬をぽろりとひとつぶ、涙が伝い落ちた。
セバスチャンはそれを舐めとり、宥めるようにキスをする。
ほんのり残るチョコレートの味に、シエルの脳が今日が何の日かを思い出す。

――そうだ、今日は僕が大好きな人に想いを伝える日だ。

大きな雄を受け入れるじんわりとした痛みと、恥ずかしさで折れそうな心を
叱咤して、ゆっくりゆっくり、少しずつ、腰を沈めてゆく。

「ん、ん…、っくぅ…んっ」

自分の首に細い腕を回し、一生懸命に抱きついたまま腰を沈めてゆく恋人の唇から、
意図せず漏れる声がセバスチャンの鼓膜を揺らす。
何度その細腰を掴んで引き寄せ、思い切り突き上げてしまおうかと思ったか分からないが、
どうにかシエルのペースで全てを収めてしまうまで我慢した。






改定履歴*
20110212 新規作成
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