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専属メイド

都内でも屈指の名門、ユースタス家唯一の嫡子で跡取り。
それが俺、ユースタス・キッドだ。

つい先日大学を卒業したばかりだが、親父が会長を務めるグループ会社の時期会長として
相応しい知識と実力をつけるべく、朝早くから役員として様々な会議に参加。
合間を縫っては足りない知識を補うための勉強、
食事はもちろん子会社の社長や役員らと会食という多忙な日々を送っている。

幼い頃から跡取りとして育てられて、自分をここまで育ててくれた両親や会社への恩もある。
仕事だって楽しいし、それ自体は全く嫌ではないのだが、
やっぱり日々の疲労感は半端ないもので。
それを癒してくれる存在が必要なんだ。そう、今おれの目の前に立ってるこいつの存在が。


「『おかえりなさいませ、ご主人様』」
「――ただいま、ロー。いいコにしてたか?」
「おう、もちろんだ」

そう言っておれの腕に纏わりついてくる可愛いメイド。
言葉遣いはまだ教育中だが、この笑顔に絆されてつい注意をし忘れてしまうのは、
ある意味仕方ないと思う。

「なぁ、風呂にする?それとも、メシ?」

おれのスーツを脱がせながら、そんなセリフを口にするローの
深い藍の髪をさらりと撫でると、そこへそのままキスを落とす。
他の執事やメイドたちと一緒に玄関での出迎えをさせず、
代わりにおれの部屋で待機させてるのはこの為だ。

こいつをベタベタに甘やかすおれの姿を他のやつらに見られるのは考えものだが、
だからといって二人になるまで手を出さないなんて耐えられない。

「ユースタス屋?なぁ、聞いてる?」

ミニスカートのメイド服と白のフリルのエプロンに身を包み、
小首を傾げておれの顔を覗き込むローの姿は、仕事の疲れを一瞬で吹き飛ばしてくれる。

ただ、困ったことがひとつあって――…

「ロー、あんまり近づくな」
「…なんで?」
「今近づくと滅茶苦茶にしちまうから」

おれはなぜか、疲労の蓄積がある一線を超えるとどうしようもなくセックスしたくなるんだ。
そしてその対象は、おれ専属のメイドであり恋人でもある、ローただひとり。

過去に何度か、疲労による異常なくらいの性欲をそのままこいつにぶつけたことがある。
気持ちよさそうに喘ぐ姿は眩暈がするくらい可愛いが、その度こいつは意識を飛ばしてしまうから焦るんだ。
可愛い恋人をせっかく抱くなら、甘やかして優しくしてやりたいって思うのは当然だろ。
だから、必死に抑えてる、のに。

「べつに、いいのに…」
「よくない」
「だって」
「ロー、だから近づくなって」
「ご主人さまを癒すのが、おれのシゴトだろ?ちがうの…?」

ああもう、こいつはいつだってこうだ。おれの気持ちなんてお構いなし。
自分だけを映す瞳にうっすらと涙の膜を張ってこんな事言われて、
それでも理性を保てる男なんていねぇだろ。

「…くそ」

ローの後頭部と腰に手を回すと、噛み付くようにキスをした。
途端に首に回される腕と唇から漏れる甘い声に、さらに感情を煽られる。

「ん…ふ、ぁ」

細身のからだを抱えあげ、ベッドへと下ろすと、ローは両手をおれに向かって伸ばす。
いつもだったらそのまま抱き締めてやるが、今日はいつもと違うやり方をすることにした。

「動くなよ」
「え?」

おれとローしかいない室内に、しゅるり、とネクタイをほどく音が響く。
そのまま細い手首をひとつに纏めあげれば、
ようやくその意図を理解したらしいローが不安そうな声をあげた。

「ユースタス屋、…このまま、すんのか?」
「賢くなったな、ロー」
「でも、これじゃ、ご奉仕できない」
「お前が煽ったんだろ?自業自得だ」
「そんなぁ…おれ、ただおまえを癒してあげたいって」
「黙って。泣いてももう許してやんないからな」

できるだけ冷たい口調でそれだけ言うと、ローのからだをくるりと反転させて四つん這いにさせた。
両手、後ろ手に纏めればよかったな。
そうすれば、尻だけを高く突き上げる格好になって恥ずかしがる姿が見れたのに。
まぁいい、お楽しみは次回に取っておくことにしよう。

ローに覆いかぶさって、指を口の中に入れる。
すると、ローは条件反射のようにそれを丁寧に舐めあげた。

「これからどうされるか、わかるな?声、我慢するなよ」

耳元でそう囁けば、それだけでぴくりと反応するこいつが愛しい。
ローの服を脱がせることもせずにスカートを捲り上げると、
おれの命令通りガーターベルト以外は何も身に着けていない下半身が露わになった。

「こんなカッコで大きくして、随分淫乱になったもんだな?」
「おまえがこれしとけっていったんだろ…!」
「言葉遣いに気をつけろよ?おしおきすんぞ?」

言いながらベッドサイドの引き出しからローションを取り出し、それをたっぷりと指で掬う。
そのまま、物欲しそうにひくつく後孔に指を沈めた。

「あぁん!」
「イイ声」

毎晩抱き慣れたそこは、おれの指をすんなり飲み込む。
そのまま反応を見ながら指を増やして、ローの内側がほどよく解れてきたタイミングで
イイところを掠めるように刺激する。
二、三回腰が大きく跳ねたところでそのまま指を引き抜くと、ローはじれったさそうに腰を揺らした。

しばらくそのまま放ってやれば、おれの大好きな藍の瞳がこちらを振り向く。
視線があった瞬間に、既にかちかちに大きくなっていたモノを
中ほどまで沈めると、甲高い喘ぎ声が上がった。

「っひ、やぁ!」
「や、じゃないだろ。キモチよさそうに飲み込んでるくせに」
「あ、あっ、だって…っ」
「だって、何」
「ご主人さまの、おおきくて、あつくて、おいしいからすき…っだからもっと、奥までして」

期待した以上の言葉に、くらりと視界がゆらめく。
こいつは一体いつの間に、こんなにエロく育ったんだ。


ぞくりと背中を這い上がる快感に触発された脳が、おれに命令を下す。
もっともっとこのからだを味わい尽くすために、
細い腰を鷲掴みにすると亀頭が抜けるぎりぎりまで腰を引いて、一気に最奥までを貫いた。
何度も何度も腰を打ち付けるようにしてローの内側に自身をこすり付け、
途切れることのない快感をむさぼる。
その痺れるような快感とローの喘ぎが一緒になって頭の中が真っ白になって、
それからはもうよく覚えていない。



欲を吐き出した後に冷静になった頭で愛しい恋人を抱き上げてよくよく顔を見れば、
可哀想に涙と飲み込み切れなかった唾液でぐしゃぐしゃになって気を失っていた。
細い手首をひとつに纏めていたネクタイは、いつの間にか解けかかっている。
おれはそれを床に放り、すこし赤くなった手首にキスをした。


可愛い可愛い、おれの『夜専用』の従順なメイド。

くたりとしたまま静かに寝息を立てるそのからだを腕に閉じ込めたまま、
心地よい眠りに堕ちてゆく感覚は、おれにとって至福のひとときだ。





end

改定履歴*
20100519 新規作成
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