top * 1st * karneval * 刀剣 * utapri * BlackButler * OP * memo * Records

ライオンキッドとうさちゃんロー

両手で抱えきれないくらいの大きな樹が生えている湖のほとり。
ここは、最近のおれの一番のお気に入りの場所だ。
退屈な午後の時間をどうやってつぶすか考えた結果、
いつものように昼寝でもしようとここでゆったりとした時間を過ごしていると、
いつものように来訪者が現れた。

「よぉ、ユースタス屋」
「またきたのか、トラファルガー」
「ふふっ、だってここ、おれもお気に入りの場所だもん」

瞳と同じ深い藍の髪から、ぴょこんと生えたうすいピンクの耳。
トラファルガーはうさぎの獣人だった。対しておれは、ライオンの獣人。
本来なら、食うものと食われるもの、決して相容れない関係…のはずなのに。

初めてここで鉢合わせしたときに、コイツが逃げる気配もなくふわりと笑って懐いてきて以来、
おれの中でトラファルガーは『守るべきモノ』にカテゴリ分けされてしまったようだ。
毎日のようにここで会っては一緒に穏やかな時間を過ごしているうちに、
その感覚はますます確かなものになっていく。

今となっては、トラファルガーの耳がちいさな音に反応し、
ぴくぴくと動くのを見てるとなんだか可愛すぎて顔がにやけてしまうくらいになってしまった。

「んんー…なぁ、ゆーすたすやー。暇ー」

コイツは今日もいつものように、樹に凭れかかって座るおれの脚を枕にしてころんと寝転がる。
そしてそのまま、おれの頬に手を伸ばすんだ。
そのありえないくらいに可愛い仕草もいつもなら適当に流すんだが、今日は違った。

…パーカーの裾が捲れていて、腹が丸見え。
いや、どうかすると胸まで見えそうなくらい。
いつもは服にかくされている白いやわらかそうな肌が、おれの感覚を鷲掴みにする。








「…服捲れてんぞ、ちゃんと着てろ」
「えーやだー暑いじゃん」

目のやり場に困って無理やり下ろした服も、トラファルガーはすぐさま元通りに捲ってしまった。
おいおい、だからせめてもうちょっと下までは隠してくれ…。
見えそうで見えない乳首を意識してしまって、鼓動が早まる。
ぐらつく理性をなんとか保つので精一杯だ。

「お前、あんま油断してると、くっちまうぞ?」
「?どして?」
「…はあ。もー、おまえもっと危機感もてって」
「ぅ。だって、おまえ、おれのこと好きだろ?」
「あ?」
「すきだろ?ちがうの…?」
「――っ、くそ、」

こいつの、この男を誘うような目線と声は、無意識なんだろうか。

『好き』『違う訳ない』そんな言葉は声にだせなくて、
気付けばその小さなやわらかいからだを組み敷いていた。

おれの下におとなしく納まっている、トラファルガーのからだ。
その表情は驚き半分、怖さ半分といったところか。
…怖がらせるつもりはないんだ。そのことをまず、教えてやらねぇと。

とりあえず目の前にあるふわふわの耳を緩く甘噛みしてみる。
ぴくりと震えるコイツのことが、今までにないくらい可愛く思えた。

「ホントに、くっちまうぞ…」
「ふぁっ」

耳の次は、頬に触れるだけのキスを。
それでも逃げようともしないトラファルガーの首筋につけた歯型をべろりと舐めあげると、
薄く開かれた唇から、甘えたような吐息が零れた。

邪魔な服をたくし上げて、先程から気になって仕方なかったふたつの乳首を丁寧に舐め上げる。
舌先で突付くようにした後、おれの尖った犬歯をあてると、細い腰がまるで悦んでいるように揺れた。

「痛みでも感じるのか?意外とエロい体してんだな」
「そんなこと…ない、ひぁ!」
「おれはそっちのがうれしいんだけど。…なぁ、逃げるならいまのうちだぞ?」
「ほんとに、たべ、るのか…?」
「…さあな」

ちゅぅっと場違いに可愛い音を立てて乳首から唇を離す。
改めてトラファルガーの表情を見てみれば、それは、今までに見たことのない艶やかなものだった。
思わず、こくりと喉が鳴る。もう、止められそうにない。

「んっ、え、や!!」
「じっとしてろ」

トラファルガーの細い腰を持ち上げて、下半身を纏っていた服を剥ぎ取る。
驚いて逃げようとするも、そこはライオンとうさぎ。力の差は歴然だ。
必死に逃げようと試みるコイツの抵抗は、全く意味を成さなかった。

しなやかに伸びた二本の脚を肩に担いで、たちあがりかけた自分より幾分小ぶりなモノを
咥えようとする頃には、抵抗しても無駄だと思ったのだろうか、
トラファルガーの体からは力が抜けていた。

「ふ、こわい…」
「…?え、おい、泣いてんのか?」
「だって、おれのこと食うって…おいしくないも…ひぅうっ」
「そ、そこまで真剣になくなよ…あーもう」
「んぅ…だって、まだおまえと一緒にあそびたい…たべちゃやだ…」

予想していなかった泣き声に慌てて目線を合わせる。
トラファルガーは、真っ直ぐにおれを見てぼろぼろと涙をこぼしながら抱きついてきた。
どうやら、『たべる』という言葉を、そのまま『捕食する』という意味で捉えてしまっているようだ。
かたかたと震えるちいさな肩が、途端に愛しく思えた。

「おまえかわいーな…食べるっていってもおまえはキモチいいだけだし、
その後もずっと一緒に遊べるから、その点は心配すんな」
「ほんと?おれ…いっしょにいられる?」
「ああ。今までより一番くっつけるぞ?」
「…わかった…んっ…ぅ…」

トラファルガーの純粋すぎる瞳に、なんだか若干悪いことをしているような気持ちになりながらも、
それ以上にこの昂ぶりをどうにかしたかった。
目の前にいる可愛いコイツを、はやく食べてしまいたい。

泣きすぎて真っ赤になってしまった目元と、ちいさな唇にキスをする。
深く深く、思考を絡めとるように。

目線がすっかり蕩けてしまったのを見計らって、
先程舐める直前だったトラファルガーの性器を手のひら全体で包むと、
抱きしめていた体全体がびくんと震えた。

「なぁ、まだ怖いか?」
「こわく、ない」
「…じゃあ、キモチいい?」
「んう、きもちい…っあん」

やばい、反則だ。自分で言わせておいてなんだが、
涙を湛えた瞳が快楽で揺らめくコイツの表情は今までにないくらいの衝撃で―…
おれに僅かに残っていた余裕を完全に打ち消してしまった。

「なぁ、力抜いてろよ?もっとキモチよくさせてやるからな」

こくり、と頷くトラファルガーの頬に、一度だけキスを落とす。
そのまま、舌で下腹部までを辿って、今度こそ今にも弾けそうな熱を持っているそれをぱくりと口に含んだ。

きっと、経験がないのだろう。
手と口で数回扱いただけで容易に熱を解き放ったトラファルガーは、
もうどうしていいのかわからないというのがおれにまで伝わってくるレベルで混乱していた。

「なにも怖くないから。ちょっと待ってろな」
「ん……」

安心させるように声をかけると、先程トラファルガーが自らの腹の上に出した精液を
指で掬って後ろの入り口へと指を滑らせる。
びくびくと揺れる腰を抱えて、なるべく、痛みを感じないように。

はじめは少しこわばっていた表情が程よく蕩けてきたところで、
入り口におれの熱を宛がって細身のからだに覆いかぶさる。
キスの快感に慣れたトラファルガーが、絡められる舌に夢中で応えている隙に、一気に奥までを貫いた。

「――やぁあっ!…あっ…くぅっん」
「きっつ…トラファルガー、…おまえの中、キモチよすぎ」

ぼろぼろと涙を零しながらも必死にしがみついてくるコイツが可愛くて、
繋がってる部分だけじゃなくて全身が気持ちよくて、
気付けばおれは、優しくしようと思っていたことをすっかり忘れて激しく腰を打ちつけていた。

「ふぇ、きっどぉ…あっ、あっ」
「ロー…きもち、いいか?」
「ん、きもちいい…っやぁ、っきっど、おれ、またイきそ…あ!」
「いいぞ、何度でも、きもちよくしてやるから」

最奥を突く毎にトラファルガーの腰骨がおれの腰に当たって、それがまたおれの感情を煽る。
そのたびにあがる嬌声と、時折聞こえるおれの名がたまらなく心地いい。

何度目かのトラファルガーがイく瞬間の締め付けに誘われるように、
思わずコイツの奥深くに精液を吐き出してしまった。





***

「な、たべられるのって、キモチいいな?」
「バカ。他の奴には、そういうこと言うなよ?」

結局、体を離せたのはあれから数十分経ってからだった。
おれの腕のなか、先程まで大泣きしながらヤられてたやつのセリフかと
疑いたくなるようなことを口にするトラファルガーに呆れながらも、
それでもやはり、可愛いものは可愛い。

とりあえずお仕置きの意味を込めて乳首を舐めてみたが、あまり効果はなかったようだ。

「んんっ――ふ、だって、キモチいい。だめなのか…?」

また、この表情。おれは本当に、コイツに勝てる気がしない。
これ以上は咎められないけれど、ほかのやつにこんなこと言われたら困る。
即、食べられるに決まってんだろ。もちろん、おれの『食べる』と同じ意味で。
だから、約束だけはさせないと。そう思って必死だったんだ、きっと。

「おれの前だけ、な。分かったか?」
「ふふ、わかった。やきもち?」
「…ちげーよ。お前はおれのモンだろ」

…あ、やばい、なんかおれ今恥ずかしいセリフ言った。
それでも撤回する気もその必要もない。
ただ、赤く染まった顔を見られるのが恥ずかしかったから、
驚いたように目を丸くする可愛い恋人をぎゅうっと抱きしめて、目を瞑った。

すると、数分も経たないうちに、すうっと聞こえてくる寝息。
やっぱりちょっと無理させてしまったみたいだ。

――今度はもうちょっとゆっくり、やさしく抱いてやらないとな。

うすいピンクの耳を撫でながらそんなことを考えて、自分も眠りにつくのだった。





end

改定履歴*
20100818 新規作成
1〜2ヶ月前にスカイプでお話してたネタ。ライオンキッドとうさぎさんのローたんです。普段こういうのは書かないので、今回すごく楽しかった!ノリと勢いだけで書きました。萌えネタありがとう!

ちなみに、獣人とか書いてますが、細かい設定は全く考えてませんw耳と尻尾が生えててー、とかそんくらいでしょうか…。

20100824 霧ちゃんの絵を飾らせていただきました!!くそーこのうさローたん可愛すぎる!!きりおありがとう!
- 1/2 -
[前] | []



←main
←INDEX

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -