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つま先立ちのキス -6-

お互いの息がようやく落ち着いた後、セバスチャンは名残惜しさを振り切って
シエルの後孔からゆっくりと性器を引き抜いた。
くたりと力の抜けたまま身動きの取れないでいる主人の頬をそっと撫でると、
サイドチェストから真っ白な肌触りのよいタオルを取り出し幼いからだを清めてゆく。

うっすらと汗のにじんだ額や、快楽による涙の跡が残る頬、
細い髪の毛が張り付いてしまっているうなじにはじまり、背中からつま先まですべて。
最後にシエルのちいさな性器と、それから自分の出したものでいやらしく濡れたままだった後孔をぬぐい、
内部に残ってしまっている精液をかき出そうと指を入れると、慌てたシエルが声を上げた。

「あっ!セバスチャン、まってまって!」
「だめです、放っておいたらおなかいたくなりますよ」
「うぅ…でもはずかしい」
「恥ずかしいものですか。坊ちゃんの体を清めるのは、私の役割ですから」

にっこり笑って恥ずかしげもなくそう言ってのける執事に逆らえる気がしなくて、
シエルはぎゅっと目を瞑るとセバスチャンに抱きついた。

セバスチャンはその様子に柔らかく笑うと、頬にひとつキスをする。
視線を合わせて、次は唇に。そうしてシエルの力の抜けた瞬間を見計らい、
後孔に入れていた指で中に入っていた精液をかき出すと、
塞いだ唇の中でまた可愛らしい喘ぎ声が上がった。

「んん、んーー!っふぁ、…んっ」
「…そんな声を聞かされてはまた勃ってしまいます」
「な…、だめ!もうだめだ、ばか!」

かぁっと顔を赤く染め、次の瞬間自分をぺちぺちと叩いてくる
恋人の様子を微笑ましく思いながら、その手をとって甲へキスをする。

「ご機嫌斜めですか?マイロード」

自分を真っ直ぐに見据えるその紅茶色の瞳を、シエルは真っ直ぐに見ることができなかった。
夕暮れとは言えまだまだ室内は明るく、先程まで自分を抱いていた男のからだがやけに艶やかに見える。
それにドキドキするのがなぜか悔しくて、昼間から自分を乱れさせた恋人に
なにか文句を言ってやりたいけれど、うまい言葉が思いつかない。



「いちご…」
「苺?」
「今日のおやつは、苺のミルフィーユって言ったのに。もうすぐ晩餐の時間じゃないか」

シエルはやっとそれだけ言うと、ぷいと横を向いてそのまま枕に顔を埋めた。
先程まで自分の体の下であどけない顔立ちに不釣合いな色気のある表情で
喘いでいた主人とは思えない、そのあまりに可愛らしい苦情に一瞬目を丸くしたセバスチャンだったが、
次の瞬間くすくす笑いながらそのままシエルのからだに覆いかぶさって
耳の傍に唇をよせ、とびきり優しい声で甘やかす。

「心配なさらなくても、苺は、後で私があーんしてさしあげますよ」
「…約束だからな」
「はい、必ず」

繋いだ小指から伝わるお互いの体温が暖かくて、
ふたりは晩餐までのあと少しの間と決め心地よい眠りにおちていくのだった。






改定履歴*
20110131 新規作成
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