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つま先立ちのキス -4-

シエルを抱き上げたままのセバスチャンが向かったのは、
勉強や仕事をするための執務室ではなくシエルの私室であった。
迷いなく前室を素通りして寝室のドアに手をかけ、
細いからだを抱いたままベッドに座ると、そのままちいさな唇へとキスをする。
閉じられたままのそれを舌先でつついて隙間から舌をいれると、
ようやくその意図を理解したらしいシエルが慌てたような声を上げた。

「ん…ぁ、待て、セバスチャン、まだ昼…っ」
「そうですね、ですが今日はこれから晩餐まで特に予定も入れておりません」
「だ、だからって」
「坊ちゃん、これはお勉強ですよ。私がキスのやり方を丁寧に教えて差し上げます」
「何バカなこと言って…」
「おや、私が家庭教師ではお嫌ですか?」

だいすきな紅茶色の瞳でじっと見つめられて、低い甘い声で囁くように尋ねられて。
シエルはそれ以上、否定の言葉を並べることができなかった。

「…嫌じゃ、ない」

小さな声で呟かれたその言葉を合図にして、行為が再開される。
向かい合わせに膝の上に座らせられているシエルは、そろそろと
自分を抱きかかえている男の頬に手を添え、思い切ったように目を瞑って
キスをした。唇を離し恥ずかしそうに一度俯いて、もう一度。
セバスチャンがやるときのように軽い音が鳴らないのが不思議なのか、
少し眉を寄せて考え込むような仕草がとてもかわいくて仕方ない。

「こうやるのですよ」
「あっ、ん!」

ちゅっ、と軽い音を立てた啄ばむようなキスをやってみせ、
セバスチャンは頬に添えられたままだった細い手首を片手で掴み、
体勢を入れ替えてそのままベッドにシエルを押し倒した。
舌を入れて歯列をなぞり、上顎までを蹂躙するような激しいキスに
シエルの睫毛は涙でしっとりと濡れてゆく。

セックスの前戯と変わらない濃厚なそれに性欲が刺激されたのだろう、
自分の体の下で細い脚をもぞもぞと擦り合わせるシエルに気付いた
セバスチャンは、そっと立ち上がりかけたものを包むように触れてやる。
びくんと体を震わせる可愛らしい主人の唇を解放してやれば、
そこからは弱弱しい否定の声が上がった。

「ん…、はぁ、だめだセバスチャン、明るいから…」
「私は、明るい方が可愛らしいお顔が見れて嬉しいですよ」
「あっ!やぁ、あっ」






更新履歴*
20110129 新規作成
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