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声を聴かせて

キッドとローは関係を持つようになって以来、
まるでずっと昔からそうしていたかのように、
夜になるとどちらからとも無く求め合うようになっていた。
それは今日も例外なく、仄かな明かりの中で行われていて、
キッドの部屋からはローの甘い声が聞こえる。

キッドはどうやら、ローが言葉責めに弱いと気付いたらしく、
ローはいいように玩具にされていた。

「…ここ、キモチいい?」
「…っ、言うな、そういうこと…っ」
「どうして?声、聴かせろよ…」

耳の傍で囁くような低い声は、ローの聴覚を甘く刺激する。
キッドは、頬を紅潮させ目線を逸らすローの無防備な首筋を甘咬みすると、そのまま耳朶を舐めた。

「っあ!」

ローの体がびくりと跳ねる。
教えたように素直に反応する体が愛しくて、
頬をそっと撫でようと手を近づけると、ローはその指をぺろり、と舐めた。
途端に、支配欲に火がつく。
本能のままにぐいと親指を口内に進入させると、ローは苦しそうな表情をしながらも応えてくる。
閉じることのできない唇からはだらしなく涎が垂れており、それがまた欲情を煽った。

「んぅ、…ん!」
「お前、まじでエロくなったな。…他のヤツの前でそんな表情すんなよ」

そんなことはないと知っていたが、キッドがわざと嫉妬する振りをすると
ローはそんな言葉にもいちいち反応してびくりと体を震わせた。

好きな様に苛めて満足したキッドが、ローの脚の間に体を移動させようと体を起こすと、
ローが引き止めるように唇を重ね、膝の上へ乗ってきた。
そのまま唇をキッドの頬、瞼、耳、首筋へと移動させる。

「いつもの、お返し」

にやりと笑うその表情は楽しそうでもあるし、いやらしくもある。
いつもと違う展開に少し驚いたキッドだったが、
その違いを楽しみたくなってローに任せてみることにした。

「…いいぜ、やってみろよ」



****
座ったままのキッドの体の上を、ローの舌が滑る。
正直、思っていた以上に気持ち良かった。
唇は、キッドがいつもローにするように少しずつ、焦らすように体を降りていく。
胸や腹への愛撫の途中で、不意に指先を舐められると、キッドの先端からは透明な雫が零れた。
ローはそれをぺろりと舐めとると、大きく勃ったものを両手で包んだまま笑顔でキッドを見上げる。

「舐めて欲しい?」

全く、コイツは悪魔なのか。
言葉は出なかったが、表情から答えを察したらしいローはぱくりとそれを唇に含んだ。
ぞくぞくと快感が背中を駆け上がる。

「…っ」

思わず出てしまいそうな声を必死で押し殺すと、
それが気に入らなかったのか、ローは刺激を強めてきた。
時折、くちゅ…と卑猥な音を立てながらキッドのものを舐める。
これ以上されてはローの中に入れる前に達してしまう―――
そう思った瞬間、思わず腰を引いてしまい、
口内がからっぽになったローは残念そうな顔をしてキッドを見上げた。

「も…いいから。キモチよかった」

言いながら、ローを抱き起こして一度キスすると、仰向けに細身の体を倒す。

「悪い、ガマンできねェ」

そのままローの入口へがちがちに大きくなった自身の先端をあてがうと、一気に挿入した。

「んっ!あ…っ――――――っ!!」

突然の刺激にがくがくと痙攣するローの腰を両手で捕まえて、全てを収めると、
温度の高い内側はキッドをきゅっと包み込み、奥へ奥へと導く様に収縮を繰り返した。
思わず達してしまいそうになる程の快感―――。
目を瞑って耐えていると、微かな声に気付いた。

「ユースタス屋ぁ…」

見れば、ローが自分に向かって両手を伸ばして名を呼んでいる。
込み上げてくる愛しさを隠そうともせず、細身の体に覆いかぶさって、
ぎゅうと抱きしめてやると、ローはそのままキスをねだった。

愛しい人の唇はひどく甘く、舌を絡めるうちに溶けてしまいそうだ。
キッドはそのまま、ゆるゆると腰を前後に動かし始めた。

「…ふぁ、あっ、あん、ー…っ」

途端にローの唇から零れたのは、甘い甘い喘ぎだった。
耳の傍で聞こえるそれは、まるで快感を増幅させる作用があるかのようだ。
つい先程まで、自分がこうやってローを苛めていたのに、
逆になるとこういう気持ちになるのか。
キッドはそんなことを思いながら少しずつ律動を早めていった。



****
どれくらい時間が経っただろうか。
3度目の射精の後、ふとローの表情を見ると蕩けきっており、
虚ろな目線でキッドの呼びかけにもあまり反応しない。

―――しまった、辛くしすぎたかも。
キッドは、いつもと違うローの行動に、つい激しくしてしまった自分の行動を少しだけ反省し、
ローを腕の中に抱きしめて眠りにつくのだった。





end

改定履歴*
20090821 新規作成
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