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06 露見

ふわりと、頬に暖かい感覚が触れる。
そのぬくもりはもう、からだが覚えていた。
仕事の終わったペンギンが、帰ってきてくれたんだ。
嬉しい、今日はもう一人で寝るのかって思ってたから。

「…ん」
「目、醒めた?」
「ぺんぎん、おかえり…」
「ただいま。ロー、ひとりで何してたの?」

ペンギンに向かって手を伸ばそうとした瞬間、柔らかな笑顔で問いかけられる。
その質問の意味が解った瞬間、先程までの眠気は一気に醒めてしまった。
そうだ、おれは、ペンギンのことを思ってひとりで抜いて、
そのまま後始末もせずに寝てしまったんだ。

さあっ冷水を浴びせられたかのように背筋が凍る。
慌てて毛布で体を隠そうとしてみても、両手はすでに頭上でひとつにまとめられ、
ペンギンに押さえられていた。

「先に寝ててくれって言ったのに」
「っ、あの」
「我慢できなかったんだ?」
「…、…」
「なんのことかわかんない?」

こんな姿を見られるなんて予想だにしてなくて、
取り繕う言葉もなくただ黙っているのをみたペンギンは、
おれの腹の上に零れたままになっていた精液を拭って、目の前に持ってきた。

「これのことだよ。ほら、もう乾きかけてる」
「やっ…」
「セックスしたかったなら、言ってくれればよかったのに」

いつもなら触れ合う前に必ずキスをしてくれるはずなのに、今日は違った。
キスより先に、その指先がおれの口の中に容赦なくねじ込まれる。苦い。
思わず咳き込んでしまっても許してくれなくて、結局、
その指先に付いた精液をちゃんと全部舐めとるまでは抜いてくれなかった。

「っん、にが」
「ひとりでやったらダメだろ?その罰だ」
「だって、おれ…あっ!あ、やぁ!」

おれの咥内から出ていったペンギンの大きな指が、予告もなしにおれの入り口へと進入する。
ろくに慣らされもせず突っ込まれて痛いはずなのに、おれの体はまるでそれを喜ぶかのように受け入れた。







改定履歴*
20100503 新規作成
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