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04 決意

「ロー、おいで」

ベッドに座っておれを呼ぶペンギンの膝に向かい合わせに跨ると、いつも通りキスをされた。
啄むような感覚からはじまったそれは、次第に深いものになっていく。
ペンギンの舌がおれの口の中に入ってきて、いろんなところを舐められて、
息が苦しくなって混ざり合った唾液が零れ落ちるくらいの激しいキス。

恥ずかしいけど、キスだけで自分のモノが大きくなってしまったのが解った。
それでもペンギンは相変わらずそれ以上のことをしてくれる気配がない。
昨日まではそれで大人しく寝ていたけど…
でも、もう限界。もっと触れてほしい、繋がりたい。

「ペン、あの、今日――」

言いかけた瞬間に、船長室の扉がノックされる音が聞こえた。
…タイミング、悪すぎるだろ。

「船長、おれが行ってくるよ」
「ペンギン」
「そんな残念そうな顔するな」
「っ、そんな顔してねぇ」
「遅くなるかもしれないし今日は自分の部屋で寝るから、船長は先に寝ててくれ」
「え…?」
「一人じゃ寝れない?」
「バカ言うな」

ペンギンは、柔らかな笑顔でそう意って頭を撫でると、
さっきまでとは違うキスをして船長室を後にした。
それはまるで、我儘を言うコドモをあやすようなもの。
おれは、そんなペンギンを笑顔で見送れただろうか。自信がない。


「……船長、とか…」

呟いた言葉は、一人きりの部屋に静かに吸い込まれて消えた。

ペンギンがおれのことを船長って呼ぶのは、仕事モードになってる時だ。
ほんの数分前まではあんなに近くにいたのに、距離が一気に開いたような気分。
恋人の名を呼んでみても、当然ながら返事は返ってこない。仕事中なのだから当然だ。解っているのに寂しくなるなんておれも随分我儘だな。

もう、寝てしまおう。そう思ってころんとベッドに転がった。







改定履歴*
20100417 新規作成
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