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03 焦燥

一緒のベッドで眠って、キスで起こされておはようの挨拶をして。
昼間は以前と変わらない船長と副船長としての態度でお互い過ごす。
夜が来ると、また、風呂に入って日課の打ち合わせをして
おれのベッドで、ペンギンの腕枕で寝る。

寝る、だけ。コドモみたいに。
まとめて言うと、あれ以来セックスはしてない。

寝不足だろうから今日はしない、そう言われた次の夜、
いつもどおり寝る直前にキスをしてくれたペンギンは、そのまま寝入ってしまった。
また次の日、今度はおれからキスをしてみたけど、結果は同じ。

明日はきっと、抱いてくれる。
そう思い続けて、もう3日が経った。
経験の浅いおれのからだを労わってくれてるのはわかるし、
ペンギンに大事に扱われるのはもちろん嬉しい。

でもやっぱり、一緒に寝ていると、おれを抱きしめて眠るペンギンの暖かい体温だとか、
至近距離で感じる息遣いがダイレクトに伝わってきて、…正直、すこし辛い。
腰に回された手がすこし動くだけで、セックスを意識してしまって顔が赤くなるのがわかる。

それともおれが、気にしすぎなんだろうか。
ペンギンは別にこんなの、どうってことないんだろうか。
なぁ、ペンギン、おれ、もう体は大丈夫だよ。
だから今日は、おまえと繋がりたい。


おれは、意を決して自分から誘ってみることにした。
タイミングは、今日の打ち合わせが終わった後のキスの時間。







改定履歴*
20100416 新規作成
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