02 変化
「――以上が、今日の報告です」
「ん、おつかれ。ありがとう」
今日も、昨日と同じ。
夕食を食べて、風呂に入って、ペンギンがおれの部屋にきて、今日一日の報告をする。
「おいで、ロー」
「うん」
おれは、小さく頷いて返事をすると、いつもどおりにペンギンの膝の上に座った。
昨日と同じ、啄むようなちいさなキス。そして、あたまがくらくらするような、深いキス。
おれのからだをゆっくりと抱き上げてベッドに寝かせてくれるペンギンの首に腕を回す。
これからのセックスを想像すると少し緊張するけど、
それでもやっぱり、目に見えるかたちで愛されるのは嬉しい。
繋がってる時のペンギンの表情や声は、本当に自分だけのものだから。
独り占めできるのが嬉しいんだ。
――好き、好きだ。ペンギン、今日もいっぱい、抱いてくれるんだろ?
「ロー、そんなに緊張しないで」
「…え?」
「今日はもうゆっくり寝よう」
「何も、しねぇの?」
思わず、頭に浮かんだ疑問をそのまま口にすると、
ペンギンは笑顔でおれの額にキスを落として抱き締めてくれた。
「そう。ここ一週間ずっと寝不足だろう」
たしかに、一週間前に初めて抱かれてからは毎晩のセックスで寝不足気味だったし、
実は腰も少し痛い。久しぶりに、大人しく寝るのもいいかもしれない。
「このまま、一緒に寝てくれるのか?」
「ダメだって言われてもここに居るよ」
「――そんなこと言わねぇ。傍にいて」
「うん。ほら、寝よう」
きゅっと抱き締められて感じるペンギンの温かい体温と、
今となっては一番のお気に入りの腕枕。
そっと額に触れる唇が嬉しくて、おれは自分からもペンギンを抱き締めて一緒に眠った。
「おやすみ、ロー」
「おやすみ…」
明日の夜はまた、ペンギンはおれのことをいつもどおり抱いてくれる。
だから、おやすみ。
改定履歴*
20100413 新規作成
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