01 蜜月
「――以上が、今日の報告です」
「ん、おつかれ。ありがとう」
夕食を食べて、風呂に入って、ペンギンがおれの部屋にきて、今日一日の報告をする。
ここまでは、ハートの海賊団ができてから欠かすことなく続けてきた日課だ。
この日課の最後に、もうひとつ項目が増えたのは、一週間ほど前のこと。
「おいで、ロー」
「うん」
部屋の明かりを消して、当然のようにおれのベッドに座って、
ぽんぽんと膝を叩きながらおれの名を呼ぶペンギンの膝の上に乗ると、
ぎゅっと抱き締められてキスしてくれる。
一度目は、ちゅっと軽く啄むようなもの。
そして二度目は、あたまがくらくらするくらいに深いもの。
「ふ…ぁ、ペンギン…」
「好きだよ」
そのままからだを抱き上げられて、優しくベッドに押し倒されて。
一番すきな人に、『好きだよ』って言ってもらえる、何よりも愛しい、大切な時間。
「ひぁ、…んっ!」
「くすぐったい?」
体中にキスを落とされる感覚は、初めてのときよりは少しはマシとはいえ、まだまだ慣れない。
ペンギンの唇が体に触れる度にびくびく反応する体と、
自分の意思とは無関係に上がる嬌声が、余計に羞恥心を煽った。
「ぁん、あ、ちが、…あ!」
「ロー、喋れてない」
ペンギンの問いかけに必死で答えようと思ってもままならず、
その上性器を緩く握られてくすくす笑いながら耳の傍でそんなことを囁かれて腰が揺れた。
当然ながら、まともに返答なんかできるはずもない。
「――っあ!あっ、や、ぅあ…っ!」
経験の浅いおれは、ペンギンに好きなように可愛がられて簡単にイってしまう。それも、何度も。
毎晩のように抱かれて正直体は辛かったが、それでも、愛されて得る嬉しさの方が何倍も大きかった。
昨日もそうやって抱かれて、きっと今日も、明日も明後日も。
ずっとずっと、こんな甘い夜が続くんだと信じてた。
改定履歴*
20100412 新規作成
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