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02 おはようの挨拶

自分とは違う、漆黒の髪。
それとおそろいの色の瞳は、今は閉じられた瞼に隠されていて見えない。
長い睫毛が、目元にうっすらと影を作る。
小さな頃に見たものとはまた違う、オトナになったペンギンの寝顔。
その整った顔立ちに見惚れていると、形のよい唇が静かに自分の名を呼んだ。

「…、ロー…」

起こしてしまったかと一瞬焦ったが、それ以上の言葉も目を醒ます気配もない。
寝言、だろうか。

嬉しい。おれは、ペンギンの寝ている間ですらも彼の意識の中に存在している。
うれしくてうれしくて、ふわりとそのままキスをした。
なぁ、早く起きて。おれの好きなおまえの瞳の色を見せて、髪を撫でて名前を呼んで。

一度では起きてくれないから、二度、三度と回数を重ねる。
そのうちに目が覚めたらしいペンギンに自分の体を引き寄せられ、
腕の中に閉じ込められると鼓動がとくんと音を立てる。

「ロー、おはよ…」
「おはよう」

ずっと一緒に育ってきたのに、こんな幸せな気分でおはようの挨拶をするのは始めてだ。
今まで想像したこともなかった、甘い夜明け。
そのまま、ペンギンの鍛えられたからだに甘えるように寄り添っていると、
不意に自身の中心を握られた。
間を置かずに緩く扱かれて、与えられる快感に腰が引ける。

「っあ、ぺん、なに…!?」
「大きくなってるから、ヌいてあげようと思って」
「や、ちが」
「ほら、ローも手を貸して」

自分のものが大きくなっていたのは、仕方ないと思う。朝だから。
ペンギンだって男なのだから一緒な筈なのに、ただの朝勃ちだって解ってるはずなのに。

突然の快感に対応できずただ身を捩っていると、手を導かれてペンギンのモノを握らされた。
その大きさと熱さにまた昨夜のセックスの記憶がよみがえり、思わずこくりと喉が鳴る。
ペンギンはそんな微かな反応にも気付いたみたいで、扱く速度に緩急をつけて射精を促してきた。

「ペンギン…っや、ぁ、も、だめ」
「我慢しないでいいから」
「っん、いく、ぁ、――っ!」

寝起きに与えられる苦しいくらいの快感であっけなくいってしまったことが恥ずかしくて、
ぎゅっと瞑った目が開けられない。
優しくおれの名を呼ぶペンギンの声が聞こえるけど、
しばらくはそのまま、くたりとベッドに身を沈めて上がった息を整えた。







改定履歴*
20100408 新規作成
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