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meltdown

部屋の扉が静かに開く気配で目が覚めた。
昨夜はいつものようにローと打ち合わせをして寝たのが確か、日付の変わる頃くらい。
暗くて時計は見えないが、それから一眠りしていたから、時刻はおそらく深夜だろう。

こんな時間におれの部屋に無断で入ってこれるのなんて一人しかいない。
何かあったのだろうかと一瞬ひやりとしたが、ごく自然にベッドに潜り込んでくるその様子から
トラブルではないと判断して、その冷えたからだを抱き寄せて名を呼んだ。

「ロー?どうかした?」
「今日、寒くねぇ?」
「え、…まぁ、寒いかな」

確かに昨日よりは、寒い気がする。でも、今なぜそんなことを聞くのだろう。
不意に投げかけられた質問に戸惑いながらもそう答えると、ローはそれきり黙ってしまった。

おれはどうやら、機嫌を損ねてしまったようだ。
どうしたものかと思案しながらも、おれの手はゆっくりとローの短い髪を撫でていた。
もうこれは癖みたいなものだ。我が儘で気まぐれで、くっつくのが好きなローを甘やかす時の癖。
しばらくそうしていると、背に回されていたローの手にきゅっと力が込められるのがわかった。

「じゃあ、何であっために来てくんねぇの」

――なんだ、甘えたかったのか。
小さな声で呟かれた、可愛い要求に顔が綻ぶ。ごめんと耳元で謝って、
拗ねたように閉じている瞼にキスをひとつ。細身のからだをしっかりと抱えなおす。
しばらくすると、隠されていた深い藍の瞳がゆっくりとおれを見上げた。
数え切れない程に見たその色はもうおれの脳に刻み込まれていて、暗闇の中でもそう見えるのだ。

「もう寒くないか?」
「寒い。おまえが、今からあったかくしてくれるんだろ?」

黙ってベッドに潜り込んで、いつの間にかおれの首筋に腕を回して、
真っ直ぐ瞳を捉えたままそんなことを言われたら拒否なんてできる訳ないだろう。
腰と背中に手を回して抱き締めて、赤い舌が覗く唇にキスをする。

「んぅ、ぁ、…ふ」

今さら、言葉で答える必要もない。零れた甘い声にそう思って行為を進める。
細身のからだに覆いかぶさって、瞼と頬にキスを落として、そのまま首筋へ。
おれの唇と手のどんな小さな動きにもすべて反応して小さく震えるからだが愛しくて、
好きだよと声を掛ければ、嬉しそうにすこし笑ってまた目を閉じた。

「服、このままでいい?」
「やだ。…ぬがせて」

寒い寒いと言うわりに薄着なローのパーカーの裾を咥えて聞いた質問への返答に、
それは甘えるための口実なのだと確信する。
素直に甘えられない性格は小さな頃から変わらないな。

気付かれないように静かに笑って、そのまま胸のあたりまで捲り上げてゆっくり乳首を舐める。
途端にぴくりと震えるからだと声に誘われるまま緩く噛み付くと、
もっと、とせがむように細い指が髪に絡むのがわかった。



****
こうやってローを抱く度、溶けていく意識の端で考えることがある。
どうしてこんなに、夢中になるのだろう。

はじめてこういう関係になったのはローがまだ14の時だった。
ずっとずっと好きで、いけないことだと解っていても止められなくてひとつになった。
それからもう数年が経っているというのに、相変わらずお互いに惹かれあうまま。

今だって、一度やっただけでは止まらないんだ。
すっかり熱くなったローの内側が名残惜しくて、萎える様子のない自身を抜けずにいる。
でも、もう時間も遅いし、…ローの体力も限界かも。

そんなことを思いながらゆっくり腰を前後に揺らすと、結合部から精液が溢れ出すのがわかる。
うわごとのように繰り返しおれの名を呼ぶローに、気持ちいい?と声を掛けると首筋に噛み付かれた。

「――っ、他のこと…考えるな。ちゃんと、全部でおれのこと、抱いてろ」

一気に顔が赤くなって、鼓動が早くなるのがわかった。ローの中に留まったままの自身が質量を増す。
たった一言でここまで煽られるおれは、どうかしているのかもしれない。
これ以上抱けばまたローが朝起きれないのは解っていたけど、それでも、
蕩けきった瞳でそんなことを言うローのことがただ愛しくて、自分を止められない。


おれはきっと、何度でもおれの想像の上を行く可愛さで甘えてくるローのことが一生好きなんだろう。






改定履歴*
20100310 新規作成
一万打企画のペンロR15です。うちのペンロが好きだと言っていただけたので、いつもどおり書かせていただきました(*´`*)甘えるローさんをベタベタに甘やかすペンギンです。少しでも気にいっていただけたら嬉しいです!本当にありがとうございました!
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