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やわらかな檻

「ペン、露天風呂ってキモチいーな!」
「そうですね。晴れてて眺めもいいし…」

眼前には瑞々しい新緑が広がり、その奥に視線を向ければ海が見える。
昼下がりの柔らかな太陽の光を受けてきらきらと光る水面は、
ここが物資補給に立ち寄った島でなければずっと眺めていたいと思うほど。

海が好きなローは、同様に水も好きだった。
静かに響く水音に吸い寄せられるようにして入っていった宿屋の奥に見つけたこの気持ちのいい空間を
ローはいたく気に入った様子で、隣に控えていたペンギンにすぐさま「入りたい」と要求した。
能力者という性質上ひとりで入らせるわけにもいかない…という口実をつけ、
ペンギンはローに自分が付き添うという条件つきで許可したのだ。
尤も、本当の理由はもちろんこの気持ちのいい空間でローを独り占めして、
あわよくば抱いてしまおうというものだったのだが。

当の本人は初体験の『露天風呂』に入れるという嬉しさで、
ペンギンのそんな思惑にも気づいていない様子。
服を脱いで湯船に浸かってからは終始笑顔で、鼻歌でも歌いだしそうなくらいに上機嫌である。
ペンギンはそんなローを可愛く思う半面、少し不安でもあった。
自分以外が相手だったら、もう少し危機感を持ってもらわないと困る。
やはりここは、そういう危機感を持ってもらうためにも少しお仕置きしないとだめだな。
脳内でむりやりそう理由付けて、ペンギンは行動を開始した。

「…?なんかさ」
「なに?」
「近くねえ?」
「うん、まぁ。他に人もいないしいいでしょう?」

ローの白絹のような肌はお湯の熱でほんのりと桜色にそまっており、
それは上気した頬と相俟ってペンギンの欲を煽る。
乳白色の湯から時折ちらりと覗く乳首を掠めるようにして腰に手を回すと、
ローのからだを自分のほうにぐい、と引き寄せた。

「わ、わかったわかった、でも、あの…腰のとこ手がくすぐったい」
「ここならいいですか?」
「!!やめ、ちょ…、あ、おれのぼせてきたかもしれない、そろそろ上が…」
「まだ5分も経ってないですよ。じゃあ船長がおれの膝においで。下半身浴なら大丈夫でしょう?」

ここなら、というのは腰よりももっときわどい、足の付け根。
もうあと数センチで性器に触れそうなそこは、ローの性感帯でもあった。
するりと伸びてきてそこに触れるペンギンの手から逃げるようにローが腰を上げると、
ペンギンはローの細身のからだをひょいと抱え上げ、向かい合わせに膝に座らせる。

そうして、戸惑うことなく目の前に現れた鮮やかなピンク色の乳首に舌を這わせるのだ。
抱き慣れた体のどこをどうすれば、ローが気持ちよくなるかなんて知り尽くしている。
尖らせた舌先で擽るように乳首を刺激して、程なく立ち上がったところにゆっくりと歯を立てれば、
ローの口からは思ったとおりに喘ぎ混じりの甘い声が零れた。

「ちょ待って、あ!!どこさわってんだばかペン!ひぁ、噛むなぁあ」
「ごめん、目の前にあるからつい…でももう勃ってますよ。…ほら、ここも」
「や…、あん!」
「もう少し沈まないと、いやらしいぬるぬるの先っぽがお湯から出ちゃいますね」
「っ、誰のせい、だと…んっ」

いつも抱かれているペンギン相手といえど、いつ誰に見られるか分からない状況で
行為に及ぶのは少し恥ずかしいらしく、ローは必死で否定の言葉を口にしようとするが、
ペンギンから次々に与えられる快感で力が入らない。
その上、自分の痴態をペンギンが揶揄するように耳元で苛めてくるものだからたまらない。

緩く握って扱かれて、あっという間に大きくされた性器の先端はすでに先走りが光っているが、
ローは亀頭部分だけが乳白色の湯から出ているその卑猥な様子を直視することさえできずにいた。

「…うしろ、ひくひくしてますよ?」
「んっく、ぺんぎん、待ってぇ…、…こえ、が」
「そうですね、声我慢しないと、誰か来るかも。そうしたら全部見られちゃいますね」
「やっ、やだ、そんなの…や、――あ!!」
「やらしい声。…わかった、まわりにも聴かせてあげるんですか?じゃあ、おれももっと手伝ってあげます」
「!!!あっ、あ!」

ペンギンの腕の中というやわらかな檻に囚われてしまってから、ローの思考が
『どうやってやめてもらおう』から『どうやって声をおさえよう』に変わるまで、そう時間はかからなかった。
自らの手で口を塞いでみても、お湯の熱さですぐに息苦しくなってしまう。
ペンギンはそれが分かるかのように、「苦しくなりますよ」とローの手の甲にキスをして
早々に避けさせてしまった。誰のせいだと涙目で睨んでみても、湯の中の愛撫は止まらない。

ローの後孔の周りをなぞっていたペンギンのしなやかな指がつぷりと内側に入ったかと思うと、
浅いところを行ったりきたり焦らすかのように刺激されて腰が揺れる。
中を苛める指が1本から2本、2本から3本に増え、その動きが内部をかき回すようなものに変わる頃には、
ローは目の前のペンギンに抱きついて腰を突き出すような格好で喘いでいた。

「だめ、ぺん、かきまぜちゃだめ、なかにおゆがはいるからぁ…っやあぁっ」
「…そうですね、じゃあおれが栓してあげますから」
「ふぇ…、あ、え、やっ やぁあ!あっ」
「――っ、船長のなか、いつもより熱い。お湯、入っちゃってたかもしれないですね…」
「ぁあ、やぁ、あつい、あつ、ぺんぎん…っ」

入り口にお湯の中でも分かるくらいに熱いペンギンのものを宛がわれて一瞬からだを強張らせたものの、
とろとろに解されたローの後孔はペンギンのものを容易に根元までずっぽりと飲み込んで、
吸い付くようにきゅうきゅうと締め付ける。
ペンギンは気を抜けば射精しそうになるのをぐっとこらえてゆっくりと律動を開始した。
片手でローの腰を支え、空いた右手ではそのからだを撫でるように愛撫する。

「あっあっ、ぺんぎん、ひぅ、おれ、イきそ…イっちゃ、う、あぁあっ」
「もう?随分早くないですか?」
「だ、だって、おまえがちくび…さわるからぁっ」
「そっか、船長ここ弱いんでしたっけ…そうですね、じゃあ乳首だけにしましょうか?」
「ふぇ…?ぺん…?」

ペンギンはそう言うとゆったりと突き上げていた動きをぴたりととめ、
代わりに堅く立ち上がったままだった乳首を指できゅうっと抓みあげる。
途端に自身を締め付けるローの反応に気をよくしたペンギンは、そのまま2、3度同じことを繰り返した。
赤く腫れ上がった乳首を口に含んで舌で転がすように愛撫すれば、ローの口からは
悲鳴とも嬌声ともつかない声が漏れ、それがペンギンの嗜虐心を刺激する。

「ひあ、やぁあっ」
「こんなに締め付けて…ここだけでいけるんじゃないですか?」
「や…やだ、ぺんぎん、ちくびやだ、ぺんのがいい、動かしてぇ」
「――っ、大丈夫、心配しなくても挿れたままにしててあげますから…」
「う、でも…おれ、ぺんのでいきたい、なぁおねがい、ぁん、あぅ」
「わかりました、あなたがいったらまたすぐに勃たせてあげますよ」
「ほんと…?」
「本当に。そうしたらちゃんとおれのでいかせてあげます」

後ろに突っ込まれているのに乳首だけの刺激でイかされるのがいやなのだろう、
ローは深い藍の瞳にこぼれそうなくらい涙をためて舌足らずに『動かして』と強請る。
もとより快感に従順なからだは、散々焦らされたことでもう理性が働かなくなってしまったようだ。
ぺンギンはその痴態にこくりと唾を飲み込み、乳首に歯を立てながらローの射精を促すように
ぐっと自らの熱を奥へと突きたてた。純粋に乳首だけでいかせるのもいいけれど、
はやくこの体をめちゃくちゃに抱いてしまいたい、と思ったから。

「あ、あああぁっ!ぁー!」
「…っ、船長、上手にいけましたね」

湯から飛び出ていたローの先端からびゅくびゅくと精液が出て、自らの腹を汚す。
ペンギンはその生暖かい感覚と、耳のそばで聞こえる高い喘ぎ声に目を細め、
自分の膝の上で荒い息を必死に整えようとしているローの頬や唇にキスを落とした。
もちろん、お湯のなかでは繋がったままで。

「あっ…ぺんぎん…まだぬかないで、おれのなかでうごいてぇ…」
「わかってます。ちゃんと中でだすから」
「ぅん、すき、すきだ。ぺんぎん、すき…」
「おれも好きです。…ロー、あいしてるよ」

その言葉に真っ赤な顔をしてふにゃりと笑う、可愛い恋人。
ペンギンは、船長であり弟でもある愛すべき存在をぎゅうっと抱きしめ、律動を再開した。
びくびくと震えるからだを、抜けてそうなくらいに抱え上げて、次の瞬間奥いっぱいまで突き入れる。
そのたびにあがる嬌声と、時折呼ばれる自分の名前に酔いながら、
湯船からお湯が零れるのも気にせずに行為に没頭した。

「ぺんぎん、もう、おれ…ぁん、おねがい、いきたい、いきた…」
「ロー、かわいい…」

うわごとのように繰り返すローの様子に、もうこれ以上やると本当に気を失ってしまうかもしれない、
と判断したペンギンは、喘ぎ声を飲み込むように深いキスをひとつ落とした後、
わざと避けていた前立腺をぐりぐりと刺激する。
そうすればローは簡単に二度目の射精を迎え、その強い締め付けと自分を呼ぶ恋人の声に
誘われるようにしてペンギンもローの体内にその欲望を全て注ぎ込んだ。




「あっ!ぺん、まってまって!」
「だめです、放っておいたらおなかいたくなりますよ」
「うぅ…でもはずかしい」
「あなたが中でだせっていったんでしょう?」

かぁっと顔を赤く染め、次の瞬間自分をぺちぺちと叩いてくる恋人の様子を微笑ましく思いながら、
その頬にキスをひとつ。視線を合わせて、次は唇に。
膝の上に座らせていたローの力の抜けた瞬間を見計らい、後孔に入れていた指で
中に入っていた精液をかき出すと、塞いだ唇の中でまた可愛らしい喘ぎ声が上がった。

「んん、んーー!っふぁ、ん…」
「…そんな声聞かされたらまた勃つじゃないですか」
「なっ、もうだめだ、ばかぺん!」
「うーん…じゃあ、また露天風呂見つけたら入りましょうね?」
「う…」
「嫌?」
「おまえとなら、はいってやっても、いい…」
「うん。約束」

涙目で自分を見上げてくる可愛らしい様子に離れるのを名残惜しく思いながら、
差し出した小指に絡められる細い指にキスを落とす。
そうして二人はようやく、露天風呂を後にした。






改定履歴*
20101213 新規作成
いつだったかblogにネタを書いていた、露天風呂プレイです。ペンギンが変態ですね。
こういうぺんぺんも大好きです。変態Sペン大好き!
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