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ずっとこのまま -4-

――― どうか、夢でありませんように。
腕の中で眠るローを見て、何度そう願ったか解らない。



暖かな体温と規則正しい静かな呼吸は不思議な程に心地良く、
幼い頃にもこうやって寝ていた事を思い出す。

今でこそ、持ち前の勝気さと基礎戦闘力、そして悪魔の実の力で向かうところ敵無しのローだが、
航海を始めた頃はよく敵の海賊相手に喧嘩を吹っ掛けては怪我をしていて、
その度に自分が庇ったものだ。
実力が伴わない癖に度胸だけは一人前で手を焼いたな――。

想い出の多さは愛情の証という訳ではないが、
ぼんやりと出来事を思い出していくうちにまた腕の中の男が愛しくなってくる。
やっと表情が見えるくらいの薄明かりの中、セックスに疲れて眠りについたローの髪をそっと撫でた。

「ん…」

しまった、本当にこいつは眠りが浅い。
ごめん、と聞こえないように呟くと、気のせいか少し笑顔になったように見えた。

自身も少し眠ろうと瞳を閉じれば、瞼に浮かぶのはローの姿。
それは、笑顔だったり、怒っていたり、すこし、泣きそうな顔だったり。
そのどれもが、ペンギンにとっては愛すべき宝物だった。

物心ついた頃から隣にいて、まるで弟のように可愛がっていたローに
到底許されない感情を抱き始めたのはいつ頃だったか。
思い出せないくらい遠い昔のことだったようにも思えるし、つい最近のようにも思える。

ローもまた、自分に同じ感情を抱いていることには、何となく気付いていた。
だから余計に気付かない振りをした。
『一度触れたらもう戻れない』確信に近い予感があったから。
一生報われることの無い想いだと思っていたが、手に入れた。もう、離さない。

願わくば、ずっと、このまま――







改定履歴*
20090820 新規作成
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