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苺、ひとつぶ -7-

「うぁ、やめ、くすぐったいからぁっ」
「擽ったい、ですか?気持ちいいの間違いでは?ほら、乳首、固くなってきましたよ」
「ぁ…も、だめ、だめだって!大体おまえ、あたためてくれるって言ったじゃないか!」
「ええ、それはもちろん、暖めて差し上げますよ。
 そうですね…運動をしながらケーキを味見するというのは如何でしょう?」
「何、言って」
「こういうことです」
「ひゃ!」

シエルの奥まった秘所に、不意に熱い熱の塊が押し付けられる。
それが意味することが、わからないわけではなかった。
だが、いつもなら行為に及ぶときには決まって指と舌で念入りに解されるそこは、
今日はまだキスをされていたときにほんの少し指で触れられただけ。
受け入れる準備ができているとは到底思えない。

「んっ…んん、ぁ、やっ、待…」
「何故です?こんなに先走りを零して、腰だっていやらしく私に擦り付けてらっしゃるのに」
「や…だって、まだ、解してない」
「…大丈夫です、ゆっくりしますから…ね?」
「でも」
「早くあたたまりたいでしょう?さぁ坊ちゃん、力を抜いて」
「!!――ぁ、あ!」

ぐ、と熱いものがゆっくりと体内に突き入ってくる感覚に、
大きく見開かれたシエルの目からはあたたかな涙がぽろぽろと零れ落ちた。
心配していたような痛みはなく、ただただ痺れるような快感が全身を包む。
開きっぱなしのちいさな口からは絶え間なく甘い嬌声が零れ、
できるだけゆっくり動こうとするセバスチャンを煽った。

「坊ちゃん…熱くてきつくて、とてもきもちいいです」
「ひぅ、せばすちゃ…セバスチャンっ」
「そんなに締め付けられると、激しくしたくなってしまいますよ」
「あっ、あっ、…僕、わざとじゃな…い」
「はい、解っています。でも坊ちゃんのお体は正直ですね?」

ゆっくりすると言った以上、あまり激しく腰を打ち付けるわけにはいかない。
変なところで律儀なセバスチャンは一旦腰の動きをとめてそっと息を整えると、
下半身は繋がったまま、ケーキのクリームを掬ってひと舐めし、
そのまま腕の中で啼いているシエルのあかく色づいた唇を塞いだ。
ちゅ、くちゅ、という水音がシエルの耳に響くのだろう、
舌を絡めるたびにきゅうっと中が締まる感覚がひどく気持ちいい。

「んっ、ん…」
「坊ちゃん、生クリームのお味は、如何ですか…?」
「あまい…セバスチャン、もっと、ちょうだい」

先程までは嫌だやめろと恥らっていたのに、シエルの口から返ってきたのは
昼間からソファの上で執事に犯されているとは思えないほどのあまい声だった。
きっと、熱いあつい熱の塊が、シエルの思考までもをとかしてしまったのだ。

「…坊ちゃん、申し訳ありません。もう、ゆっくりできそうにありませんよ」

キスの合間に漏れる嬌声と、自分の首筋に腕を回して一生懸命しがみつく姿、
それから、名を呼べば自分を見上げる涙をいっぱいに湛えた綺麗な蒼の瞳。
腕の中の恋人を構成するそれら全てがいとしくて、セバスチャンは誘われるまま律動を再開した。

膨張しきった自身のもので、ちいさな恋人の内側を思い切り擦り上げる。
昼間の室内に似つかわしくない嬌声は、キスで飲み込んだ。
与えられる激しすぎる快感にシエルがあっというまに白濁を吐き出しても
律動を止めることなどできず、結局、悪魔の精液がシエルの体内を満たす頃には
その頬には幾筋もの涙の後が残ってしまった。






改定履歴*
201103026 新規作成
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