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蒼に溶ける恋 -7-

窓の傍で恋人に抱きかかえられたままその性器をゆっくりと受け入れながら、
ガラスに両手の肘から先をついて喘ぐシエルの内側はいつもよりもずっと狭く、
とろけてしまいそうに心地よかった。白いうなじに誘われるように唇を寄せれば、
そのかすかな刺激にすら反応して背を震わす恋人が愛しい。

「ひ…っぅ、や、ぁ」
「っ、坊ちゃん、あまりあばれないで」
「あっ、あ!!おく、も…いっぱい、むり、だって」
「あなたのここは、まだまだ私を締め付けてきますよ。足りないのでしょう?」
「違…、ひぅ!」

言いながらすっと入り口を指でなぞって一度そのからだを抱えなおして角度を変え、
まだ中途半端にしか入っていなかったものをぐっと押し進めてゆく。
シエルが恥ずかしがって身を捩ってみても、自分の内側にあるセバスチャンのものが
気持ちのいいところに擦れて逆効果だった。

「嗚呼坊ちゃん、すごくあつくて、…きもちいいです」
「らめ、セバスチャン、やめ…」
「どうして?こんなにおいしそうに、くわえこんでくださっているのに」
「そとから…そとから、見える…っ」

顔をまっかに上気させて否定のことばを口にするその姿に悪魔は舌なめずりをし、
緩急をつけて幼いからだを追い詰めてゆく。
そうして今は見えない瞳とおなじ綺麗な蒼のピアスのついた耳に唇を寄せ、
この船に乗ったときから秘めておいた想いを口にするのだ。

「見えてもいいではないですか。こんなに深く繋がっているところを見たら、
 貴方は私のものだって解ってもらえるでしょう?」
「…っ」

耳元で響く、いつもより荒い吐息まじりの悪魔の声に、シエルの背筋をぞくりと快感が走る。
いつもはどんな命令でも澄ました顔でこなしてポーカーフェイスを崩すことなどないあの執事が、
どんな顔をしてこんなことを言っているのだろう――
振り向けばすぐそこにあるであろうその顔を見ようと首を捻ろうとするけれど、
一際深く突き上げられる感覚に意識を掠め取られそうになるのを堪えるので精一杯。
結局うしろを振り返ることはできずじまいで、シエルは体内に注がれる悪魔の白濁を受け入れながら
自らもその性をガラスへと散らしたのだった。






改定履歴*
20110402 新規作成
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