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蒼に溶ける恋 -5-

「ねぇ坊ちゃん、どうして今日はこのように長い靴下をお召しになっていただいたと思います?」
「…?海風が、さむいから…って」
「それとは別に、もうひとつ理由があるのですよ」
「ぁ、っばか、何してる」
「このように綺麗な貴方の肌を、他の輩に見せるのが嫌だからです。
 3週間も海の上の閉鎖空間にいるのですよ。
 世の中にはいろんな方がいらっしゃいますし…危ないでしょう?」

ソファに座ったままキスで乱れた息を必死で整えているシエルの前に跪いた執事は、
ハーフパンツに手を滑り込ませると迷い無く靴下留めの留め金を外し、そのまま半分程脱がせてしまった。
急にひんやりとした空気にさらされたシエルの肌は、計らずもいつもより敏感になって、
恋人の手が触れるか触れないかの感触すらも快感に変えてしまう。

否定の声を上げようとしても、やわらかく食むようなキスが再開されて、それは叶わなかった。
性急な行為に似合わないやさしい感覚が、シエルの中の正常な感覚を、ゆっくりゆっくり、溶かしてゆく。

セバスチャンはちいさな恋人がキスに酔っているのをいいことにその首元のリボンを解くと、
ジャケットとベストから腕を抜かせてシャツのちいさなボタンを外して、
そのまま、するすると服を脱がせていった。

肌に触れるひんやりとした空気で、一気に正気に戻ったのだろう。
シエルは涙を湛えた蒼のきれいな瞳を大きく見開いて、
慌てたように目の前の恋人の肩をぐっと両手で押し返そうと試みる。

「や…やだ!セバスチャン、ここ、窓の前だぞ!こんなの誰かに見られたら」
「大丈夫ですよ、坊ちゃん。窓の外は海です、誰にも見られません」
「でも」
「嗚呼…でも、そうですね、坊ちゃんの可愛らしい声が外に聞こえないとは限りませんね」
「!!」

その言葉に恋人の肩を押し返すのも忘れ、思わず両手で自らの口を塞ぐシエルの様子に
にこりと笑うと、両脇に手をいれて抱え上げ、窓へと向かわせた。
そうして、うしろから窓ガラスに片手をついて逃がさないようにと包み込み、
窓の外にちらりと見える甲板を目線で示して穏やかな声で恐ろしいことを言うのだ。

「ほら、下の甲板、見えますか?声が聞こえて不思議に思った誰かが
あそこからから見上げたら、坊ちゃんのいやらしい姿が、見えちゃうかもしれませんね?」

びくんと震える華奢な背筋。まだあどけなさを残すそこへシャツ越しに手を這わせ、
その刺激に仰け反る白い喉を伝って、声を出すまいと必死に閉じている口に指を滑り込ませる。
そのままシエルをかかえあげて下着ごとハーフパンツを脱がすと、
ボタンを全て外したシャツを羽織っただけのシエルを自身の片足に座らせるようにしてその体を支えた。






改定履歴*
20110329 新規作成
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