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独り占めさせて? -2-

「ばか、與儀、無理……っ」
「大丈夫、ほら」

 力の入らない腕で與儀の肩を押し返し、いやいやと首を横に振る花礫の頬に、宥めるようなキスをひとつ。口調や触れる手は優しかったけれど、與儀はけして指を引き抜こうとはしなかった。
 長い中指が中を掻き回し、次いで人差し指が添えるように差し挿れられる。二本の指で拡げるように中を暴かれると、くぱ、と粘着質な音が花礫の耳を犯した。
 堅くなった自身の性器が與儀の腹に擦れて、腰がびくつく。思わず位置をずらすと、與儀の屹立が太腿にあたり、その熱さに息を飲んだ。その反応に煽られた與儀が、ごくんと喉を鳴らす音が聞こえる。

「ん、大丈夫、みたいだね。挿れるよ」
「待……っ、あ、ああっ!」

 銀色の與儀がいう事を信じるならば、花礫が眠っていたのは、ほんの5分。つまりつい先程まで與儀に散々可愛がられていた後孔はいとも簡単に與儀のものを受け入れた。

「んっ、あっ、あ、あぁっ!」
「ふ、花礫の中、ぐちゃぐちゃ……ほんとにいっぱい、出されたんだね」
「っ! 言うな……ぁ」
「恥ずかしがらなくていいよ、とろけそうに気持ちイイ。熱い」
「ひ……ぅ、ぁ、んあっ!」

 花礫を抱き締め、対面座位で突き上げている與儀の喉から零れた熱い吐息が、花礫の首筋を擽る。熱っぽい声で名前を呼ばれる度に頭の中が甘く痺れて、どうにかなってしまいそうだ。與儀に散々抱かれ、既に体力の限界だった花礫はなすすべなく喘ぐしかなかった。

「や……だ、もう、與儀、」
「うん。與儀だよ。お前が大好きな、與儀」
「違……」
「ちがわない。俺も與儀で、俺もお前のことが大好き」

 尤も、例え体力があったとしても、最愛の恋人と同じ声、同じ顔で、こんな風に好きだと言われれば、拒否なんてできなかったかもしれないのだけれど。

――だから、ねぇ、もう余計なこと考えないで。気持ちいいってだけ感じててよ

 結局は、花礫だってただの男なのだ。初めての恋をした相手に愛おしまれながら体を開かれ、自らの体に雄を受け入れる悦びを知って。数え切れないくらい抱かれ、その度少しずつ與儀の好みに慣らされた体は、彼から教えられたように反応して、次に与えられる筈の快楽を貪欲に欲しがる。
 腰を掴まれ前後させられると、気持ちよくて涙が滲む。ぐっと前立腺を抉られると、箍が外れたように濡れた声が出る。ベッドのスプリングを軋ませて激しく突き上げられるともう、與儀にしがみつくことしかできなくなった。
 どれくらい抱かれただろう、幾度目かに與儀と視線を合わせると、その瞳が潤んでいるのが不思議だった。掠れた声で與儀の名前を呼ぶと、與儀はそれに応えるようにびくびくと跳ねる痩身の真ん中で解放を待つように震える花礫の砲身を大きな手で撫でる。ただそれだけで、花礫は泣き声のような嬌声を上げて陥落した。

「ひっぁア! も、もうむり與儀、もう……」
「うん。俺ももうイきたい。ね、花礫……どこに出して欲しい?」
「……ふ、意地悪、いうな……ぁ」
「お願い、言って。花礫、俺のこと、欲しいって言って」

 思考もなにもかもぐずぐずに溶かされて、考える余裕なんてない花礫だったけれど、それでもやはり恥ずかしいのだろう。銀色を鼻先でかきわけ、耳に唇を寄せる。

「中、……いちばん奥がいい。與儀の、熱いの……はやく、ッあ!」

 言い終わるか終わらないかのうちに、花礫の中で與儀が一際大きく膨張し、そして勢いよく精液を吐き出した。同時に達した花礫の搾り取るような内壁の収縮に同調するかのように、どくんどくんと幾度かに分けて注ぎ込む。最後の一滴までを注ぎ込むまで腰の動きは止まることなく、花礫はいよいよ意識が遠のいてゆくのを感じた。

 そんな花礫をベッドに寝かせようと與儀が性器を抜き出すと、ごぷり、とふたり分の精液が溢れ出す。奥まった蕾から、ほっそりと伸びた太腿を伝うその白濁を見た銀髪の與儀は嬉しそうにそれをひとさし指でつうっとなぞり、花礫はその微かな感覚にも敏感に反応しぴくんと体を震わせた。

「はぁ、……は、」
「花礫」
「――ん」

 あかく濡れた花礫のくちびるに、ちゅ、と可愛らしい音をたててキスをひとつ。続けてもう一度、かみつくようなキスをしようとして――喘ぎすぎて息の整わない花礫の様子にふっと笑い声を漏らす。

「かーわい……。ね、花礫」
「な、に……」
「はじめからとろとろの花礫も可愛かったけど」
「……?」
「今度はさ、『俺』だけに抱かせてよ」

 大好きな声で請うように紡がれたその言葉を受け入れることも拒否することもできずにいる花礫の唇に、お願い、と柔らかいキスが降ってくる。
 あぁ、こんなところは與儀と変わらないんだな、なんてことを思って、花礫は急激な眠気に逆らえず瞼を閉じるのだった。






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20130703 新規作成
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