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上手にできましたか? -1-

初めてソレを間近で見た時、トキヤは言葉を失った。

自分にだって同じものがついている筈なのに、大きさも色も全然違う。音也のものはトキヤのそれより一回り大きくて、すこし浅黒かった。そろそろと伸ばした手が目に入り、トキヤはそれでようやく自分の指先が震えているのがわかった。耳に響く静寂がうるさい。呼吸をするのを忘れて息苦しくなった頃にようやく触れた指先から、ぴりっと電気が走ったように思えた。熱い。

最初に触れた中指に続いて、ひとさし指、くすり指、小指の順にそれにたどり着く。トキヤは長い時間をかけてそれを右手で握り込むと、また長い時間を掛けてニ、三回上下に扱いた。その手つきはおそるおそるという表現がぴったりで、快感の強さだけをとれば普段音也がトキヤのことを想いながら行う自慰に到底及ばないものだった。それでも、あのトキヤが自分の性器を握って扱いている――その事実は微かな快感を幾重にも増幅し、音也の性器はまるで条件反射のように先端から透明の先走りを零した。

ほんの少しだけとろみのあるその液体は、トキヤの手が上下する振動に耐え切れず、程なくしてつうっと幹を伝い落ちた。それが乾かないうちにまた新たな雫が生み出される。トキヤは、ゆるゆると手を動かしながら熱に浮かされた視線でぼうっとそれを見ていたが、5回目にこぷりと出てきたその雫に誘われるように、舌を伸ばした。



音也はそれを、トキヤの体の下から見ていた。

自身は仰向けに寝転がり、トキヤをその上に四つん這いにさせた、いわゆるシックスナインの体勢だ。目の前に見えるトキヤの性器はまだ触ってもいないのに大きく勃起していて、それを愛しく思った音也はその根元で揺れる陰嚢にふうっと息を吹きかけた。ほんの戯れのつもりであった。けれどトキヤのからだはその微かな刺激にも丁寧に反応し、先端から先走りを零した。音也は、自らの胸に零れ落ちてゆくその雫と、トキヤの性器の先端を結ぶいやらしい透明の糸のむこう、自身の性器に触れるか触れないかの位置にトキヤの赤い舌がある――それを目の端に捉えた瞬間、音也はそのいやらしいコントラストに目を奪われた。思わず腰を引こうとしたが仰向けになっていたのでそれは叶わず、永遠にも思える一瞬の後にその赤い舌は自分の性器に触れた。

表現しようのない快感が爪先から頭のてっぺんまでを駆け抜けた。それこそ全身の毛が逆立っているのではないかと思えるような、今まで味わったことのない快感だった。頭の下にクッションを置き、自分の股間が見えるようにしておいてよかった、と心底思った。あの綺麗なトキヤが自分から舌を出し、勃起した性器を舐めてくれている姿に、くらりと視界が揺らめいた。なんだか、とても神聖なものを汚してしまったような気がした。






改定履歴*
20120730 新規作成
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