Xmas …続々 (伊佐)


「竜の旦那!」
「どうしたHoney?」

小腹が空いたから何か摘もうと厨を覗いた政宗に、佐助が焦った声を出した。

「これ本当に合ってんの!?」

生クリームを鼻先に突きつけられて政宗は匂いに顔を顰めた。

「真田の旦那が吐きそうって言うんだけど!?」
「砂糖と塩でも間違えたか?」
「そんな阿呆はし…てません!」

言いながら材料を振り返って確かめる佐助に政宗が溜め息を吐く。

「味見すりゃいいだろ」
「正しい味が分かんないのに?」

呆れたように言われて呆れた声で返した。

「甘ければいんだよ」

言われて、佐助は嫌々ながら舐めてみようとして掬った指を、横から政宗に舐められる。

「…甘…ッ」
「舐めるなよ!」
「味見しろって言ったんじゃねぇのか?」

わざとらしく目を瞠って言う政宗に軽く舌打ちをして呟いた。

「"言った"のはあんただろ」
「…Sorry」

政宗は嗤い、佐助の胸倉を掴んで力任せに引き寄せる。

「ば」

文句を言おうとした佐助の口内を舌で弄る。
抵抗する間もなく、すぐに離されて佐助は片手で自分の口を覆った。

「……甘…」

低く唸った佐助を一笑して、口元を隠す手を退けて囁く。

「俺が?」

下らない事を、と文句を言ったら二の舞だなと佐助は口を引き結んだ。
構わず政宗はちゅ、と音を立てて口を吸う。胸倉を掴んだままの手を解いて、佐助は視界の端に捕えたものに息を飲んだ。

「ッ、夢、吉」

食器の影から二人を見つめ不思議そうに頭を傾ける小猿の手には団子があった。

「あ!こら!」

気づいた佐助が声を上げるときゃぁ、と鳴いて団子を持ったまま逃げ出す。

「…持ってかれた………上に見られた……」

がっくりと肩を落とす佐助が怒り出す前にと団子を一つ摘んで政宗も厨を後にした。


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3.伊達佐 →(4.慶幸)



2014/10/10 comment ( 0 )







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