龍に眼を貰った男


呼ぶ声が聞こえた。
旅人は声を辿って声の主に出会った。
どうやら古傷が痛むらしい。その上、水に渇いているとも言う。
旅人は薬と水をわけてやった。
声の主はいたく感謝して、御礼に何でも欲しいものをあげようと言った。
この目が見えるようになったなら、見たいものは幾つかあった。
それならばと声が言った途端、旅人の目に光が刺さる。旅人の前には片眼の無い龍がいた。
片方とはいえ眼を欠いた龍は天に戻ることができない。
旅人は見たいものを見たら必ずこの眼を返しにくると誓って龍と別れた。





2013/02/16 comment ( 0 )







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